千年メダル-23
すると彼はその手を強張らせ、振り絞るような声で
「茂、芽衣子……。お前らの邪魔してばかりで本当にすまなかった!」
と、海面に向かって深く深く頭を下げた。
彼の手は少し汗ばんでいて、熱くて、“生きている”ってことが伝わってきた。
「……散々お前らのことをかき乱したくせに、勝手かもしれないけど……、もし許してくれるのなら……、
……もう一度だけ誰かを好きになっていいか?」
あたしの手の甲に久留米さんの涙が落ちる。
驚いて久留米さんを見ると、彼は真っ赤な瞳をこちらに向けていた。