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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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千年メダル-22

「俺はずっとずっと、自分がしてきたことの罪の重さに押し潰されそうだった。

いっそのこと、“あんたがあたしをそそのかしたから茂を追い詰めたんだ”って責めてくれた方がどれだけ楽だったか……。

芽衣子が最後に言った“必ず幸せになって”って言葉が、すげえ辛かったんだ。

そういう優しさが、かえって罪悪感を燻らせるってわかんなかったんだよ、アイツは」


「久留米さん……」


「でも、もっとバカなのは俺だったんだ。

アイツがそんな裏の裏まで考えてモノを言うわけない。

アイツは、本当にただ純粋に俺に幸せになってほしいって言ってくれただけなのに、一人で勘繰り過ぎて自分を責めて、アイツの想いに逆らうような生き方をして……」


彼の膝に置かれた手は、ガタガタ震えていて、あたしはたまらずそれに手を添えた。


――自分を責め続けながら生きていくのはもうやめて。


多分芽衣子さんは、残された久留米さんがこんな風に生きていくのかもしれないのを危惧してこんなメッセージを残していたかもしれない。


「久留米さん、芽衣子さんの言葉、信じてあげてください」


そう言ってあたしは、添えた手にグッと力を込める。




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