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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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二人の罪-6

気持ち良さそうに、水槽の中を泳ぐ魚達。彼らからして水槽の向こうで、自分達を観て
楽しんでくれていると期待して元気良く泳いでいる筈なのに、その中に自分達の可愛い
姿など目にもくれず、お互い目のやり場に困っている男女がぎこちなく歩いている何て
夢にも思わないだろう。

とぼとぼと、歩き回り、時より目にするカップルが、気のせいなのは分かってるが
今の私達をに、追い討ちを掛けている様にも感じて。

「ほらぁ、この魚・・、小さいけど可愛いね」

先ほどから横で肩を並べるしゅうが、愛想笑いを浮かべつつ私を楽しませようと
対して詳しくも無い、魚の説明をし、私もそれに対し釣られ合わせ作り笑いを浮かべ。

一体私は、何をしているんだろう・・、横で必死に盛り上げようとしている少年は
元恋人、今はもう恋人でも何でも無い、ただの知り合い、・・今更こんなデート見たいな
事をしても、虚しい空気が流れるダケ・・正直ウンザリするし。こんな状況を作りやがった春華達に、序所に憎しみの僧が溢れて来る。

でも、彼だって私と同じ様に、騙された身なのに、一人盛り上げようと頑張っているのに
私ダケ控えめに、新しい水槽を目にする度言葉を掛ける彼に、ただ頷くだけ・・何て
何だかズルイので、私も少しアクションに出ようと決意する。

「わー、これがタッチプール!、ねぇ触ってみようよっ」
既に、お父さんに見守られ無邪気にその小さな魚が沢山居るタッチプールに触れる女の子
が居るその場所に駆け寄り、彼を誘うのダガ・・。

彼は私の言葉が耳に入っておらず、別の水槽に浮かぶ珍魚に目が釘付けで・・

あぁ

もう、限界だ


「へぇ、こんな魚も居るんだぁ」
と、明らかに私に向かって言い、首を横に向け、呆れて帰ろうとする怒り足の私を目にし

「ちょ、ちょっと!・・何処行くのさ」

慌てて私の肩を、掴もうとする前に、振り向き。

「もう・・帰りましょ?こんなの無意味じゃない。」
「!・・それはぁ」

彼も私と同じ気持ちだ、返す言葉も無い。


こうして私達は、無意味な時間を過ごし、ただただ虚しい空気だけが流れる中、ロビーを
出ると・・。

「はぁ・・、ゴメンねぇしゅう・・、今日は何か」

側で私と同じ様に溜息をついているであろう彼に、お詫びの言葉を掛けようと振り向くも
彼の姿は無く

「しゅう?」

軽く彼を探し、ロビーへ戻るとソコに

「有難うございます!」

自然界に住まう魚達が、より豊かに過ごせる様、募金活動が行われていて、彼はそれに
惜しみなく貴重な五百円玉を、寄付し

「・・こんな事しか出来ませんが、頑張って下さいね」


しゅう・・



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