投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ポニーテールを解いてくれ
【制服 官能小説】

ポニーテールを解いてくれの最初へ ポニーテールを解いてくれ 5 ポニーテールを解いてくれ 7 ポニーテールを解いてくれの最後へ

ポニーテールを解いてくれ-6

 降りる時、
「行ってきます。お父さん」
少女ははっきりと言い、ホームから手を振った。乗客の目は私より若い男に注がれ、彼は逃げるように出ていったが、目で追っていくと二つ先のドアからふたたび乗り込んだ。気まずかったのだろう。完璧に触っていたのだから気の毒にも思うが、ほっとして力が抜けてしまった。

 しかし、驚いた。あの咄嗟の対応はあらかじめ用意していたように滞りもなく淀みもなかった。
(私の父です……)
親子の年齢差なんだ。改めて思いながら、それは自制に繋がるものではなかった。
(そんなこと、何の関係がある……)
 痴漢騒ぎのあった日の昼時、
『スリルあるでしょ』……
その文字を見つめながら、私はなぜか昂奮を覚えていた。

『お父さん』はそれからも誘いに乗って少女に触れた。
 三度目の行為の時、彼女の手に誘導されて直接下着に触った。指が震えているのがわかる。体の角度を変えて周囲の目を確認する。
 肌との境目に沿って行き来しながら、ためらう。くぐっていいものか。きっと望んでいるのだろう。
 スリルどころではない。無理だと思い、手を引っ込めた。
(もうすぐ駅に着く……)
少女の手が私の股間に伸びてきたのはその時である。ほんの束の間、硬直を確認するように触れていった。耳たぶがほんのり赤く染まっていたのは暖房のせいだろうか。


 会いたい……。今日は金曜日だ。週末に会えないことで感情が高まって抑えきれなくなってメールをした。
『また二人で会いたい。時間を作ってくれないか』
考え悩んだ末の発信である。
 あの電車の行為は少女の何を満たしたのだろう。性的欲望か。大人を弄ぶことが快楽なのか。……
 ゲームなのか?痴漢ゲーム。そこまでの楽しみだったのだとしたら……。会いたいなどと本気でメールを送ったことが後悔された。
(これでは対等ではないか……)
いや、自分の方が縋っている。……それは事実だからどうしようもない。


 意外にもすぐに返信がきた。
『明日のの土曜日、休みです』
自分も仕事はない。会うなら暗くなってからがいい。ホテルの薄明かりのベッドで微笑む少女が浮かんだ。
(会えるんだ……あの子と会える……)

『夕方がいい。だめかな』
十二月である。暗くなるのは早い。
 少し間があって、
『6時に雑貨店の前では?』
『待っている。必ず待っている』
送信してからどれくらい考えただろう。ポケットにしまった携帯を取り出した。
『制服で来てくれないか?』
胸が高鳴った。返事はこなかった。


 その日、私はスーツを着て夕方家を出た。取引先との飲み会と妻には言った。思えば休日の夜に私服で飲みに出かけたことがなかった。口実が思いつかないので仕事にかこつけたのだった。
 
 時間が早かったので電車に乗り、途中で降りてまた引き返した。どこかで一杯ひっかけて、とも思ったが、少女と会うのに酒の臭いをさせたくはなかった。そう思いながら、そこにどれほどの意味があるのか、自分でもよくわからない。

 雑貨店の店の明かりが歩道を照らす闇が訪れ、あの時の出会いからずいぶん日が短くなり、寒さも厳しくなってきた。師走のせいだろうか、人通りがかなり多い。私は人目を避けるために少し離れたところに佇んでいた。

『西口、公園入り口にいます』
少女からのメールであった。駅の反対側である。
(なぜ?)と思いながら、心が騒いだ。その一帯はホテル街をひかえた夜の街である。
(心得ているということなのだろうか……)
何かが迫ってくる。落ち着かなくなった。思惑通りの展開になりそうなのに、気持ちが上ずってくる。望んでいながら、逃げだしたい。足取りは少し重かった。


 ピンクのロングコートをまとった少女の姿はそのままきらびやかな夜の世界へ溶け込んでしまいそうな大人の雰囲気を醸し出していた。
「すみません、場所を変更して」
「いや。しかし、イメージが変わるもんだね」
街路灯の明かりでも化粧をしているのはわかる。色香が漂っている。

「どうします?」
「どうって……。食事はしたの?」
「はい」
「どこか、いい店あるかな……」
「静かなところがいいですね」
「静かなところ……」
突然少女が噴き出した。
「どうした?」
「だって、この前とおんなじこと言ってますよ」
「そうだっけ……」
「ふふ……行きましょう」
私は歩き出した彼女の後を頭を項垂れて付いて行った。  

 


ポニーテールを解いてくれの最初へ ポニーテールを解いてくれ 5 ポニーテールを解いてくれ 7 ポニーテールを解いてくれの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前