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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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メイ-19

可愛らしい猫パンチの餌食になったそれは、ダッシュボードの扉にガツンとぶつかり、床に落ちる。


しかも、そのはずみでフォトフレームの留め具が外れ、中身が飛び出してしまったのだ。


「ちょっとアンタ、何してんの!!」


久留米さんの大切なフォトフレームをバラバラにしたメイを、あたしは慌てて抱き上げようとする。


でも、彼女はシートに爪を引っ掻けて、剥がされまいと頑なに抵抗していて。


別に助手席で寝なくてもいいじゃん!


頑固に粘るメイを無理矢理引き離そうとしても、今度はシートを傷めてしまうかもしれない。


あたしは仕方なくメイから手を離して、まんじりと彼女の白い毛並みを見つめた。


いつまでも彼の心を縛り付けているこの写真を投げ捨てたいという、あたしの潜在的願望を、メイが読み取ったかどうかはわからないけれど、これはやりすぎだ。


ここはしっかり怒らないとと思って、拳骨を降り下ろそうとするけれど、すかさず久留米さんはグッと掴んでそれを制止した。



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