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戸惑い
【幼馴染 官能小説】

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振り向けばあなたがいた-1

あたしとあいつは小学校からの悪友みたいな関係。
絶対にその関係は変わらないと思っていたのに・・・・。

5月。
日曜日の穏やかな昼下がり。
外はこんなに穏やかな陽気なのにあたしの心はハリケーンなみに荒れていた。
度重なる彼氏の浮気。
彼のことが好きだったからあたしは必死で自分の心を殺してきた。
「許そう」
と。
でもその仕打ちがこれ。
突きつけられたのは彼からの別れの言葉。
もう涙なんか出やしない。むしろ馬鹿らしくて笑えてくる。
自嘲ってやつ。

「なんだったのかなー・・・この3年間・・・」

ぽつりと呟く。
言葉達は行き場を無くして空気に虚しく溶けていった。

「・・・ん?」

聞こえてきたのは携帯電話の電子音。
電話か・・・・。
折りたたみ式の携帯電話をパカッと開くとそこに表示された名前を見てあたしはため息をついた。

「はい、何よ。せっかくの休みなのに邪魔しないで。え?・・・・仕方ないな、じゃ、西口に1時間後。」

皆さんもお分かりのとおり、あたしは電話の相手に押し切られた形になった。
あたしは昔からこいつには甘い。
そいつの名前は・・・・

1時間後。

「成(せい)!」
「おう、菜月。相変わらず小せぇな」

宮崎成。
あたし、児島菜月とは小学校から大学3年の現在まで同じ学校の腐れ縁。
しかも学科まで同じときてる。
3年になった現在、大学では専攻ごとの授業がほとんどだがこれがまた専攻まで一緒。

なんだかもう呪われてるとしか思えない。

「で、なんの用よ?呼び出すだけ呼び出しといて」
「あー・・・それがー・・・」

普段ハキハキ物を言う成がどもる。
不思議に思いながらあたしは怪訝な顔でもう一回聞く。

「はっきり言いなさいよ?そんなに言いにくいことなの?」
「いや、あのさ・・・好きな子がいて、来週が誕生日なんデス」

そーゆーことね。

「それであたしについてこいってわけね」
「ハイ」

成くーん、顔が真っ赤になってますよー。
こいつは昔からあんまり顔に出す方ではない。
それがこんなに真っ赤になっちゃって・・・
面白い。
あたしは内心イヒヒと笑いながら、わざとらしくハァとため息をついてこう答えた。


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