投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

戸惑い
【幼馴染 官能小説】

戸惑いの最初へ 戸惑い 7 戸惑い 9 戸惑いの最後へ

振り向けばあなたがいた-2

「仕方ない、付き合ってやるか!気分転換にもなるし」

一瞬、成が目を丸くする。

「菜月、なんかあったのか?」
「え?」
「あ、いや、「気分転換になる」って言ったから。」

しまった。余計なこと言ったな・・・。

「・・・・まぁ、あたしだって色々あるわけよ」
「ふーん、なんかあったら言えよ」

・・・・なんとか誤魔化せたかな。
本当は言っても良かった。
でも、今から好きな子の誕生日プレゼント買いに行くって時にこんな話するのはちょっとね・・・・。


「行こっか。」

成につれてこられたのは若者が集まる街。
何を買ったらいいか迷っているらしく「早く決めろ」と言ったら「こんなの初めてだから分かんねぇん
だよ」の一点張り。
とりあえずバラエティショップを何件かまわってみたが、めぼしい物がないらしい。
仕方ない。次行くか。

「成?次行こ・・・って何見て・・・」

成が口を堅く結んで見つめているその先にあたしも目をやる。

「あ・・・」
「・・・やっぱりまだ付き合ってないのにまずいかな。」
「いや、まずくはないと思うけど・・・とりあえずせっかくだし入ってみる?」
「おう」
「でもいきなり指輪はまずいと思うよ」
「分かってる」

そう、
そこはどの商品も3000円前後の商品ばかりのアクセサリーショップ。
店内をうろつきながら成が言った。

「やっぱ指輪以外となったら、ピアスかネックレスかブレスレットかなー・・・どれがいい?」
「なんであたしに聞くのよ。自分で決めな」
「そーいや菜月ってここ2年くらいずっとネックレスしてたよな。なんで今はしてねーの?」
「・・・ほっといて。ほら、決めたならさっさと会計してきて」

成のおかげで嫌なことを思い出した。
元彼と付き合って1年の記念日にもらった初めての彼からのプレゼント。
ピンクのリボンでラッピングされた白い箱の中にそれは入っていた。
シルバーに水色の石のネックレス。
「お前はクールな感じだから水色の石にした」
そう言って、照れくさそうにしながらあたしの首にそのネックレスをつけてくれた。
あたしはそれを、それはそれは大事にして・・・

「おい菜月!」

びくっ!
つい過去の世界にトリップしてしまっていたので体がびっくりした。

「あ、ごめん、もう買った?」
「おう」

幸せそうな顔。
愛しそうに見つめるその小さな包みに彼女を重ねているのだろう。
あたしはこんな顔しばらく忘れてる・・・

「お礼に飯でもおごるけど?」

成がニカッと笑いながらあたしに問いかける。


戸惑いの最初へ 戸惑い 7 戸惑い 9 戸惑いの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前