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未定
【純愛 恋愛小説】

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二人だけのオフィス-3


「今……渚小梅って言ったのか?」

「はい、そうですが、渚小梅です。」

「ふーん、なるほどなるほどなるほどな。」


なっ、なんなんだこいつ。キレんぞ、ブチ切れんぞ。何故になるほどを三回も繰り返した?侮辱か?私に対する侮辱か?


「あの、このままあなた様がどなたなのかおっしゃっていただかないと、間違い電話として扱う事になりま…」

「渚先輩!!」

私が意味不明ななるほど男に適切な対処をしようとした矢先、お湯を取りに行っていた高橋征嗣がオフィスに帰ってきた。

つかさず、電話口を手で覆い、会話が相手に漏れないようにする。

「高橋くん、なんだかあなたを知っている人みたいで………。」


「ちょっと変わってください!!」


ものすごい早さで私の手にあった受話器を取ると、開口1番に

「お前、会社の電話にかけてくるなって何回言ったら分かるんだよ!!!」

と、大きな声で怒鳴った。

「……は?言い訳はいいから……なんだと?………チッ、しょうがないな………今聞いてみるから……………バッ!ちげぇよ!…………大人しくしてろよ……」

高橋征嗣のそんな言葉遣いを聞いた事のない私は唖然としながら何者かと話している彼を見ていた。

すると、どうやら話がついたらしい彼は私に向かって

「すいません、お騒がせしました。今のは俺の双子の弟の高橋奏嗣(たかはしそうじ)です。不躾で本当に申し訳ありません。」

ふ、双子!?

「え、あ、高橋くん双子だったんだ。なんかそれの方がビックリ。っていうか、大丈夫なの?下にいるとかなんとか……。」

「あの、折り重なって本当に申し訳ないのですが、あいつ、色々事情がありまして、今帰る所がなくて、一旦ここに上がらせて頂いてもよろしいですか?本当にすいません!!」

そう言った彼が、腰を深く折って頭を下げた。そ、そんなに謝らなくてもいいのだが。確かに部外者を会社内に入れるなどあってはならないがばれなければよいだけで。しかも彼の家族であり、なんというか緊急事態?なのか知らないが、そうっぽいのでいたしかたない。

「まあ、いいけど、その静かにね。」

「本当ですか!?申し訳ありません!もうこういった事は無いように十分言いつけますので、本当に申し訳ありません。」


そう言って彼は電話で二三言双子の弟と話した後、下まで弟を迎えに行った。





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