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恋心あれば水心
【女性向け 官能小説】

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-1


あれから山田さんとの接点は全くと言っていいほどなく
お昼休みに規則正しく休めない経管は社員食堂で私と会うこともなく
会社が大きいので廊下でばったり会うこともなく

私としては割と落ち着いた日々だった。

そう。
2ヶ月に1回、第3金曜日に配られる社内報がさっき配られるまでは。

右手でギュッと社内報を握り締めエレベータで経営管理の階に降り立つ。
ワナワナと唇が震える。

経営管理部の入口は社員証をかざし、
登録されているナンバーじゃないとドアが開かない。
よっぽど機密事項を扱っているらしい(イヤミだけど・・・)
もちろん私の社員証では開くはずもなく
なかにいる人の目も気にせずドンドンドンとドアを叩いた。

小さく開いたドアの窓から中を覗けば
その音に経営管理の全員がドアの方を向いて
もちろんその中に山田さんがいた。

経営管理部は社内報が今さっき配られたのだろう。
みんなが社内報を手に持ちながら私を見ている。

チッ。

思わず舌打ちが出たところで山田さんがドアを開けた。

「山田さん!!!!!」

ネクタイを思わず締め上げるようにグイと引き寄せて

「なんてことをしてくれたんですか!」

とにじり寄るけど、その顔は全く動じていないな。

「広報にいる俺の後輩が新しい企画を思いつかない。
というのでアイディアを出したんだよね。常務に対してもいいかな?と思って」





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