穢れの人魚 ☆-1
10分後、“取引”は成立した。
正確には強いられながら、それは始められる事になる。
適度な締め付けと心地よい温かさ、その粘膜の中に浮遊するかの様な得も言われぬ感覚。
同時に形容し難いまでの征服感と充実感に包まれる留吉の陰茎。
留吉の陰茎は今まさに、加奈の体内に位置していた。
そう確かに留吉は加奈の体内にあった。
もっともそれは体内であって、胎内では無かった。
加奈はその命と引き換えに、口淫を強いられ応じる事になる。
不思議な事に加奈にとって留吉が、実際に絞殺まで踏み切るかどうかは左程重要では無かった。
救けが来ないこの最悪の状況の中、最善とも思える方向にすがるしか無かったのである。
数十秒の思考の中、加奈は想像するも悍ましいいくつかのパターンを考察したのだ。
1.絞殺後犯される自分
2.抵抗し犯される自分
3.犯されながら、他者に発見される自分
4.抵抗を続ける中で、他者に発見され助けられる自分
留吉の目的がレイプである以上、都合良いシュミレートは現実味が限りなく無い事を認識した。
また激しい抵抗を続け、仮に運良く他者がこの場に駆けつけてくれても……
その時までに自分が留吉に加えられている被害の程度によっては……
幾重もの考察の中、最悪の中でより良いと思われる選択をせねばならなかった少女。
しかし、そのより良いと思われた選択すら地獄であった。
「じゅぽっ、じゅぼじゅぼ、じゅっぽ……」
留吉の指示に従い臭気発する陰茎を咥えさせられると、不器用に頭を前後させる加奈。
仁王立ちの留吉の目前に跪き、口淫を強いられ続ける。
その首元にはまるで首輪の様に、留吉のしていたベルトが掛けられていた。
それは加奈が抵抗せず逃げる事を制する為の枷で、ベルトの端は留吉の手に握られている。
(フェラチオ…… 十数年振りだろうか?)
留吉の脳裏に、見合い結婚で一緒になった嫁の顔が浮かぶ。
そう言えばあの時も、無理矢理させたんで嫌々していた。
当時の事を懐かしむ様に思い浮かべる留吉。
留吉は加奈の頭部を抑え付け、より深く咥えさせ奉仕を促す。
丁度良い角度で加奈が陰茎を咥え奉仕する横顔が例の鏡に映る。
初めてする“奉仕”が上手くいくはずは無かったが、留吉はきめ細かく指図して加奈より快楽を引き出していく。
時折歯先が当たるも、その飲み込みの速さに少なからず驚く。
徐々に留吉のほうも具合が良くなり、意識が陰茎の先端に集中して行く。
(頭の良い娘は何をさせても上手に熟すもんだ)
留吉は改めて加奈の舌技に感心しながらも、急速に射精感が高まる事を感じていた。
このまま口内に出すか顔にかけるか、魅力的な二択であったが留吉は前者選び堰を切った様に射精し注ぎ込む。
「ほうら褒美のミルクだ、たっぷり飲め」
そう言うと加奈の頭を両腕でがっしり抱え込み、黄ばみ粘度の高い大量の体液を一滴残らず絞り出す。
征服感が高まる事で更なる射精感が高まり、野太い陰茎がヒクつく様に脈打ち放たれ続け加奈の口内を満たしていく。
「むぅ、むぅ、ぐうぅえぇ、うぇっ、うぇっ、うげぇ」
加奈が嘔吐く様に咽びながら呻く。
射精してなお留吉の嗜虐心は治まらず、美しく整った顔立ちの加奈の表情を覗き込む。
大量の排泄物を飲む事を強いられた加奈に、更なる要求を突き付ける留吉の欲望。
「お前が汚したんだ、しっかり綺麗になるまで舐め取るんだ!」
そう言ってさらなる奉仕を求める留吉。
(余計な告口が出来ないように、たっぷりこの唇に刻み込んでやる)
そう心中で呟くと留吉の加奈に対する凌辱は加速して行く。
留吉が加奈をその底無しの性欲から解放したのは、二度目の体液が排出された後であった。