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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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好き、だけど・・-3

それから俺は、彼女と共に、縁日を回った。焼き鳥を大胆に10本も買ったり、その内
9本は自分の居の中にバカバカ入れ、フランクフルトは店のオジサンに「からしうーーん
と、入れてよね!もう私を殺すくらいの勢いでっ!」と得意気に申し、オジサンを少々困らし、「どうなっても知らないぞ」とでも言わん顔でたっぷりつけ、後で案の定「水っ水
水っ!」と暴れ出し、俺の持ってたウーロン茶のペットボトルを、差し出すと颯爽と
奪い取り、少ししか口にしていなかったお茶が、もう空になった、でもこれはこれで良かった・・、何を血迷ったかボックストイレに向かった時は、血の気が引いた・・。フライドポテト詰め放題何て、裾を捲りやる気満々で、店の人に渡された袋に、ギューギューに
ポテトを詰め、見事他の人より大量に詰める事が出来て良かった、手で取れない程潰して
入れた事を除いては・・。

勿論、食べてばかりでも無く、金魚救いをすれば「お魚サン可哀想」とか言った俺に彼女は、「何よっ!」と怯え逃げ惑う金魚達を次々と救い出し、何とか3匹程救った楓は仕舞には「あー、何だか急に鯛焼きが食いたくなった」と言い出し。的当てではその大雑把な
性格から、丸で賞品に弾を当てられず、1つの物に集中出来無い、ある意味彼女らしいが
少々デリカシーの無い店のオジサンが、「一昨日来やがれー!」と、デカイ図体に似合う
笑い声を挙げ、それに対し彼女は、さっきまでかぐや姫の様に神々しい顔を壊す様に眉間にしわを寄せ、そんな悔しむ彼女の横顔を目にした俺は・・。

「ちょっと!シュガー?」
この前、静かな公園で「シュガー」と言うあだ名で呼ぶのでは無く、名前で呼んで欲しい
と言ったが、普通に今は聞き入れてくれない様ダガ。
彼女が、一つも賞品を当てれず、悔しそうに溜息と共に下ろした銃を、今度は俺が手に持ち、その光景を目で追う彼女
「おっ、今度は兄ちゃんがやんのかいー!」
状況を楓より先に、理解した店のオジサンに、俺は黙って小銭を置き、そして

「アレが欲しいのか?」
楓がさっきから狙ってた、熊モンの縫ぐるみが、欲しいのか再確認し、楓も小声で
「うん」と頷き、俺はその縫ぐるみダケを、一点に視線をロックし、そして

パァン!

俺の打った弾は、無情にも縫ぐるみに命中する事は無く、床に落ち
「はっはぁっ!もう諦めなよ、オニちゃん」
オニちゃんって・・、挑発するオジサンに、横で立ち位置を変え既に諦めモードな顔の
彼女、しかし俺の手に持つ銃には、まだ弾が一発、無論この一発に掛ける俺はそんな二人の無理だよオーラを振り切り、銃を上げ再び狙いを定め

「いっけぇぇぇぇっ!」
俺は想いを込めて、打ったその弾を睨みつけ・・


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