同じ名前の彼女-2
次の日、彼女は普通に学校へ来た。教室に入った彼女にたいしクラス中の人間が罵声を浴びせた。『出てけよ!』斉藤は彼女に言った。『お前みたいなのがいられると迷惑だ!』何も答えない彼女に斉藤は掴みかかった。『なに黙ってんだよ?』『殴れや。』表情ひとつ変えず彼女は斉藤に冷ややかに言った。『殴りゃええやん。スカッとすんで。』そう彼女が言い終わると同時に斉藤は彼女を殴ろうとした。俺は無意識のうちにそれを止めていた。『離せよ。』そう言う斉藤に『だったら先にその子を離せ。』と言い斉藤は大人しく手を離し席についた。『邪魔すんなや。』彼女は俺に言い教室を出ていった。
俺は斉藤を止めた時のように無意識のうちに走り去った彼女を追い掛けた。屋上にいると直感し屋上へ向かった。屋上に出る扉を開けると彼女の肩を抱く加藤がいた。二人の顔が次第に近づくのを見て俺は扉を閉めた。
そこからどうやって教室に戻ってきたかは思えていない。ただ思い出すと胸が締め付けられるような感覚に陥った。その時、ケータイが鳴り画面には【体だけでも良いから】とゆう文字が映し出された。それは元カノからのメールだった。以前まではよりを戻したいと言ってきていた元カノだったが最近では【体だけでも】と言ってくるようになった。俺は胸の締め付けから解放されたくてその日、初めて別れてから元カノを抱いた。もしかしたら彼女も今頃…そう考えるとまた胸が苦しくなり俺は結局、胸の締め付けから解放されることはなかった。この頃、俺は既に彼女に惹かれ始めていたんだと思う。(続く)