師弟の出会い-2
そんな悲しい処遇の小者達だったが、お敏の快感の衝撃波を受けた事により、その股間の機能は一瞬で回復した。数年ぶりの勃起だった。いや、ただ回復しただけではない。小者達は衝撃はで吹っ飛ばされながら、過去に無いほどの膨張率、そして大量の射精量を記録した。
久しぶりの精通の快感による感動、そしてそれの連続に小者達の意識も飛んだ。白目をむいた小者達も餅右衛門の横に横たわり、同じ様に地面に白濁した液溜まりを作った。
よく見ると、小者達の目に涙の痕があった。それは意識の飛ぶ僅かな間に流した復活の悦びの涙と、復活によって生じるお早世に対する恐怖の涙。やはりとても悲しい涙だった。
猫の盛り声までオカズにする名人級の亀起瓶之真は、それが夢なのか現(うつつ)なのかの区別が付かない程妄想に没頭する。
瓶之真が今浸っていた妄想は
『父親の不始末により叔父に引き取られた姉と弟の物語。養って貰う弱みに付け込む叔父から性の強要された見目麗しい生娘の姉。しかし、危ういところで弟に助けられ、2人で叔父の家を飛び出した。だが、未通女の生娘でありながら叔父の愛撫が忘れられない淫乱な姉は、瓶之真の道場の外で弟に股間を舐めさせながら逝く』が骨子だ。
その妄想の中には『3年前に他界した母親の霊が姉に取り憑いて、母娘共々歓喜にむせび鳴く』というマニアックなオプションが付いていた。(お詫び:時代劇なので『マニアックなオプション』を日本語で書こうとしましたが、このインパクトのある語韻は捨てられずに使用しました)
なんという偶然の一致。連日自慰行為を繰り返している瓶之真の妄想力には、人智では計り知れない神秘の力があったのだ。
今日の妄想はとても美味しい。この極上の妄想で直ぐに逝っては勿体ない。そう思った瓶之真は、扱いては弛め、弛めては扱きを繰り返して、手の動きを微妙に制御しながら長期戦の構えに入っていた。
しかし、名人級の自慰巧者の瓶之真に珍しい出来事が起こった。
「ぬおおお、ううっ、うおおお」
ドピュッ、ドピュッ、ドピュッ!
妄想の中で未通女とその母親の霊が絶頂を迎えた瞬間に、瓶之真の制御が効かずに一瞬で果ててしまったのだ。
その理由はもうおわかりであろう。実はお満達が痴態を繰り広げていた場所は亀起道場の前であり、お敏の絶頂の衝撃波が瓶之真の制御を狂わせたのだ。
しかし、お敏の悦びの衝撃波の影響力は距離に反比例していた。お満から離れる程その被害は小さく、その結果瓶之真の被害はとても軽微で、白目をむく程の衝撃は与えなかった。それでも射精量は普段の2〜3倍の精を放出させる程の威力で、その迸りは数間先の神棚まで達する勢いだった。
瓶之真は神棚まで飛んだ自分の迸りを見て、現実の世界に引き戻された。
「むむっ、これはどうした事か…」
そして厳しい修業を積んだ剣者が持つ独特の感覚で、現(うつつ)の世界に漂う『異』を感じた。
瓶之真はいまだに納まらないイチモツを仕舞うと、前を膨らませたままの状態で、微かに残る『異』の素を辿って道場を出た。