娘の痴態と母の威厳-4
実はお敏がさっき通りの角に行った時に、遠くに餅右衛門が自分の屋敷の方角に向かって歩いているのを偶然見ていたのだった。
お敏の想像では、歳も歳なので、長時間の探索は体力的には無理だから、諦めて屋敷に帰ったと思っていた。
「母上も『竿之介に任せなされ』と言ってる事だし、ここは男子の竿之介に調べに行って貰いましょう。竿之介、いいですか、ゆっくりじっくり調べるのですぞ」
お満はお敏にわからないように、ニヤリと笑って竿之介に目配せの合図を送った。
「わかりました。ゆっくりじっくりと長時間を掛けて調べて参ります。では、母上、姉上、その建物の脇に隠れて待っていて下され」
「あい、お頼み申す」
竿之介は手を振ると、通りの角へと進みその角を曲がった。
「行きましたね」
お満はそう言うとお敏に向き直った。
『え、ええ、寝屋が見つかるといいですね』
お敏は僅かな期待に思いを寄せながら曖昧に返事した。この時のお敏の期待とは、寝屋が見つかる事ではなく、もちろん『逝く』の方だ。
しかし、さっきお満に対して強気に出てしまったので、流石に自分からは言い出せない。お満の気分次第の僅かな期待だった。
「母上、こうやって待っているだけでは、時間の無駄でございますね」
お満は意味ありげにニヤニヤした。
『えっ?』
お満の言葉で、お敏の期待値は少し上がった。
「今ならば2人っきりです。さっきの続きをいたしますか?」
その言葉に一気に期待値の針が振り切った。
『いいのですか!』
お敏は目輝かせて確認した。
「ええ、よろしいですよ。ささ、早くしないと竿之介が戻ってきますよ」
『お願いしまする』
お敏は上気した表情を浮かべると、すうっと霧の中へと姿を消した。
さっきと同じように背中にゾクリと感じたお満は、早速その場に腰を下ろすと足を開いて自分の股間をクチュクチュと弄り始めた。
「あああ…」
【ああああん、いい、いい、ああああん】
お満の脳内で母親の喘ぎ声が響いた。