娘の痴態と母の威厳-2
『ど、どうとは?』
お満が何を言っているのかを充分承知しながらも、竿之介の前では中々言えるものではない。
「ほらほら、これでございますよ。はあん、気持ちいい、はああん」
お満は母親を唆すかのように、自分の乳首を摘まんで身を捩らせた。
『なっ!さ、竿之介の前ですぞ!止めなされ』
慌てたお敏は、お満と竿之介の間に体を入れて、竿之介からお満の痴態を隠した。
(ほほほ、無駄なことを)
お敏の姿が見えない竿之介には、お満の痴態は筒抜けだった。
「ほれ、母上、早く取り憑かないと、お満の指は気持ちいいお豆を擦り始めまするよ。ほれ」
お満は立ったままの姿勢で、乳首から股間に手を移動させると、蜜が溢れる淫らな溝に中指をクチュリと滑り込ませた。
「くっくうううう、気持ちようございますう、くうう」
お満が快感に身を捩らすのを見たお敏子は、さっき味わった歓喜な快感を思い出して一気に気分が嵩まった。
性的な事の未練が大き過ぎるお敏にとっては、自分の威厳も竿之介の事も一瞬にして失念する程の魅力的な光景だった。
「あうう、は、母上、お満はここをグリグリするのが一番好きでございまするう、あうう」
お満はその部位がよく見えるように、陰毛の無い子供のような縦スジの上部を人指し指で押さえると、そのまま上にグイッと引っ張り上げた。
すると割れ目の中に隠されていた敏感な秘豆がひょっこりと顔を出した。お満はあらためてそれをグリグリと弄ると、体をのけ反らした。
「はうあ、いい、いい、は、母上え、気持ちようございまするうう、あああ」
お満が言った部位目が釘付けになったお敏は蜜に集まる蝶のように、フラフラとその淫らな女体の中に入ろうとした。
しかし、取り憑く寸前に、お満の痴態見ながら、イチモツをシコシコと扱く竿之介が目に入ってハッとなった。
『ああダメダメ!お、お満、止めなさい!母は許しませぬぞ!』
お敏は目が覚めた。このままお満の言いなりになっていたら、益々自分の威厳が無くなり、男子たる竿之介の教育にもよろしくない。
やはり男子の竿之介には、真っ当に育って欲しいとの母心が欲望に打ち勝ち、辛うじてお敏を自制させた。
「もう、うるさいなあ」
お敏の説教に、お満は露骨に可愛い顔を顰めた。
『これお満!何がうるさいですか!母はもう許しませぬぞ!』
(おっと、さっきまでの母上と違う…)
頭が軽いが故に勘の鋭いお満は、さっきまでとは違うお敏の雰囲気を敏感に察知した。そしてお敏が他界してから身に付けた処世術に従った。
「わ、わかりました母上。もう竿之介の前で破廉恥な事はいたしませぬ。竿之介もやめなされ」
娘が自分の威厳のある言葉を聞き入れたのでお敏は安堵した。やはり子供に振り回されるのは性格的に面白くはないので、思い切って叱って良かったとお敏は思った。
女の高みを知る機会は逃したが、まだまだ機会はある。竿之介が居ない時に、あらためてお満を言いくるめて存分に快感を味わえばいい。それよりも今は威厳のある母親として、主導権を取り戻すことが肝心だった。
『わかれば良いのですよ』
お満が破廉恥な行為を中止したので、竿之介はガックリと肩を落とした。小さい頃から異性に興味があった。藩の江戸屋敷に住む幼馴染を裸にして尻の穴に指を入れた事も有るし、お満の股の匂いの残る着物を嗅ぐ事も日常だった。
男女の睦みの事までは、まだ詳しく知らなかったが、思いもしなかった姉の痴態を見る機会を得て、本能のままに自身で扱いて初めての精通を迎えた。
それにより、竿之介は男女の秘事には快楽を伴う事がおぼろげに理解する事ができた。素晴らしい世界だった。
叔父の家を飛び出したことで、これからは誰にも気兼ねなく、姉との淫靡な時間を過ごせると思ってワクワクしていた。
予想もしなかった厳しかった母親の霊の登場も有ったが、その母親の厳しさをお満は跳ね返せる立場にあったので喜んだ。
しかし結局のところ、ワクワクするような事は、厳しい母親に止められてしまった。性の入口を垣間見たばかりだっただけに、竿之介は暗澹たる気持ちになった。