すべては必然に-4
次の日、シンプルなベージュのスーツで
朝一のアポに遅れないように出ようとしたら
大川さんがそのスーツ良いけど、なんか寂しいな。といいだした。
そう?気に入ってるんだけどな。
ちょっと待ってろ。となんだかごそごそとクローゼットの奥から
綺麗な小さな箱をとりだして
「これ、もらいもんなんだけどさ。そのスーツに似合うと思う」
と、綺麗なガラスのブローチを左胸につけてくれた。
確かにきれいだけど・・・・
もらいものぉ?
「昔、参加賞でもらったんだ」
「綺麗」
「うん。ベネチアングラスだよ」
素敵。
参加賞でこんなのくれるのってセンスいい!
「何の参加賞?」
「帰ってきたらゆっくり話すよ。時間だろ?」
「あ!急がなきゃ!」
「陽菜。・・・・俺そろそろ働こうかと思ってる」
「え!やっぱりお金なくなったの?」
私のその発言に苦笑した大川さんは
「私が生活費だそうか?」
に大笑いした。
「とにかく、働こうかと思ってることを覚えておいて」
「・・・?わかった。行ってきます」
私は納得しないまま広告代理店に急いだ。