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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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孤立-1

「もう一回言ってみろっ!」

白昼の教室で、俺は自分でも吃驚するくらい、大声で罵声を言い放った
その突然の出来事に、案の定クラス中が何事かと目を丸くしクラス中の視線が俺に集まった・・。

荒い息挙げる俺の目線の先に、悪態を付きしゃがみ込む男子とその隣に倒れた机が映り
その男子は眉を細め、ゆっくり俺を睨む

喧嘩の内容は、樹里奈・・、俺の大切な人の事に関してだ
彼、関口は言うに事かいて彼女を「犯罪者」「キチガイ」呼ばわりするのだ

確かに彼女は俺を刺し、救助をする事無くゲラゲラと狂笑を公園中に響かせた
彼女が犯した事件は、規制はあった物の新聞やテレビで報道され、その当事者が俺と彼女
なのでは?・・と次第に噂が広まって行き

彼は俺が最近、彼女の事で頭が一杯で、ありとあらゆる頼みごとや誘いを断り続け
クラスでも短気と多少非難されている彼はついに堪忍の尾が切れ、自分のイラつきの渦中に存在する樹里奈に当たり

だから俺も誘いを断り続けた罪悪感よりも先に、大切な人を悪く言った事への憎しみに
我を忘れ大声で怒鳴り、気が付けば彼を突き飛ばしていて

周囲の人たちも得たいの知れない物でも見るような目で、俺をさっきから見つめる
そりゃそうだ、俺は普段から何の気に無しに困ってるクラスメートを躊躇う事無く進んで助け大掃除や文化祭の準備では、自分の役割が終わり空いた時間に他のまだ役割が残ってるクラスメートの手を貸したりするので周囲はいつも感謝の声で一杯で、俺を優しい人
だと慕う
まぁ・・俺は別に好かれたくてそういう事をしてる訳じゃなく人として当然の事をしてるダケ、といつもそう考えているのだが

それゆえに俺の今の行動は、周りにショックを与えたに違いない、だから

「ゴメン・・大丈夫?」
我に返ったかの様に俺が突き飛ばした彼に、手を差し伸べる
・・ダガ彼は、俺の差し伸べる手を跳ね除け自力で立ち上がり

「・・お前、変わったな」
俺の言葉を無視し、冷静さを取り戻し言いたい事を言ってきた

「!!・・」
図星だ、最近の俺は彼の言うように付き合いが悪い、それどころかクラスの輪から一歩
引いている、授業では前に比べて進んで手を挙げる事も無いし、給食の時も皆親しい人
同時で机をくっつけるのに俺は、遠く離れた小島にでもいるように一人ポツンと目の前の
給食に食欲が沸く事無く、ただ無意識に箸を進めている


そう・・今の俺は孤独と言っても過言ではないのだから


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