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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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孤立-2

薬品の匂いが鼻に付き、窓から日差しが差し込む
俺ははっきり言って病院は苦手だ、この場所には俺にとって何一つ良い思い出が無いの
だから、今を含めて・・

ダガそんな苦手意識を抱いているこの場所に、今では1日のスケジュールに予定が刻まれている・・と言っても過言では無いくらい、ほぼ毎日の様に所属しているサッカー部員
から「試合迫ってるぞ!」「またサボりか!」と言う当然の不満の声を荒げる部員達に
背を向けつつ、制服姿のままこの地へ足を運んでいる

そこまでのリスクを冒してまでここに訪れる理由は、ただ一つ

「樹里奈・・」

今日もいつもと変わりなく、すやすやと息をする彼女の寝顔が視界に入る
最近じゃ彼女の存在だけが俺の支えになっている様な気がする

「なぁ樹里奈・・、今日君の悪口を言う奴と喧嘩しちゃったよ」

「駄目だよなぁそのせいでクラス中が唖然としてたよ・・」

「でも俺、間違った事をした、何て思ってないよ」

「君は犯罪者何かじゃない・・、キチガイとかあんまりだよ」

今だ意識不明で聞こえる筈の無い彼女の耳に、俺は自分の想いをぶつける

ダガどんな言葉を口にしようと呼吸のリズムを崩す事無く呼吸をする彼女

樹里奈が喋らない、樹里奈が笑ってくれない・・

そんな虚しい空気に、一気に胸が締め付けられた様な痛みを感じ


ギュッ


そんな思いを打ち消す様に、俺は彼女を抱きしめた・・強く・・強く
その作りかけで、ちょっとでも触れると崩れ落ちそうなひ弱な身体であるにも関わらず

俺は彼女を放し、ゆっくりと後頭部を枕に乗せ、再び彼女の寝顔に目線を合わせる

「・・・・」

そして俺は、そんな彼女の頬にゆっくり・・そして優しいキスをした



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