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君を救いたい
【純愛 恋愛小説】

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孤立-3

夕暮れの下、俺は病室を後にしようとした際、同じく様子を見に来た樹里奈のお父さんと
バッタリ会い「ちょっと、公園に寄らないか?」と誘われ、断る理由も無くそれ以前に
彼女に関わる事だと願ったり叶ったりで彼の後に続き近くの公園へ足を運び

俺が彼女をとても思い詰めた目で、見つめていた物だからきっと何かを感じたのだろう
公園で楽しそうにはしゃぐ子供達が自然と目に映る中、俺と樹里奈のお父さんはゆっくり
と公園を歩く

「はい」
「あ・・有難うございます!」
俺は、お父さんから近くの自販機から買ったホットのお茶を俺に手渡した

俺らの視線の先に、競技場でサッカーをする少年たちの姿が映し出された
皆活気良く、つい此間まで試合に向けて練習をする俺らサッカー部そのもので
その光景は一人の愛する人の為、今まで苦楽を共にしたサッカー部員達を見捨てた自分へ
お説教をされている感じにも見えたが、今の俺にそんなの関係無く

「やはり君には娘の事について知っておくべきだったな・・」

そう言ってオジサンは樹里奈の正体を語り出す


樹里奈は蓮見夫妻の本当の子ではなく、警察官であるオジサンが施設で里親を申し出て拾った
そうで、その時の彼女は精神的に不安定な感じで他の子たちとも一線浮いている感じで
そんな彼女を連れ帰ったオジサンを見て、オバサンは当事驚きと戸惑いを隠せずに居た
だが両親の献身的な愛情によって彼女は徐々に夫妻に打ち解け人間らしい人間へとなった
その成長過程で1番目立ったのは樹里奈が、自ら料理に戸惑うオバサンの手助けをした時
オジサンが洗濯機に、レシートなどの紙が入ったままのズボンをそのままいれてしまいオジサンにデカイ顔で説教をし、「しょうがないなぁー」と半ば嬉しそうに頼んでも居ないのにポケットのチェックを念入りに行っている時など

要するに、人の面倒を見る度彼女は生気を吹き返す・・という感じで
オジサンに拾われる前、彼女には生みの本当の母親が居た、しかしその親はロクに娘の面倒も
見ず毎日きつい香水に化粧を撒き散らし、当ても無い風俗業に明け暮れ
それゆえ娘である樹里奈は、当然邪魔な存在であった、樹里奈というか彼女に子供が居る
と言う事実から、金持ちの男から幾度となく交際を断られる事が何度もあり
その度何も罪の無い樹里奈が、理不尽な暴力と罵声を与え
オジサンが施設の方から聞いた話だと、「よくも生まれやがったなっ!」と言う言葉が
施設の方に印象強く残ったとかで

そんな絶望の淵にあった彼女の支えとなったのは彼女が5歳で2つ下の妹の存在だった
その妹は僅か3歳ながらも姉である樹里奈をとても頼りに甘えてきて、そんな妹に
彼女は自分を必要としてくれる事に、絶望の世界から咲く1輪の花の様に僅かな希望
だったらしく、それが彼女の性格の原点となったらしく

だが樹里奈が6歳になる頃、樹里奈の母の堪忍の尾が切れ例の施設の玄関前に樹里奈を
置き去りにしたようだ、毛布も何掛けず使えなくなった家具をそのまま家の前に放り投げるように・・、樹里奈の妹がどうなったのかは今だ不明、一緒に放り投げなかったのか
施設の方はもうこの世に居ないからでは?・・と言うが

蓮見夫妻には元々子供が居た・・、それも樹里奈に瓜二つの女の子を
だがその女の子は、タチの悪い性癖の悪い男に連れ去られ、何も知らない彼女を暴力と
耐え難い屈辱を与え、精玩具の様に扱うだけ扱い最後はボロボロの全裸の彼女に油をかけ
焼け殺したらしく、その非常な犯人は逮捕され異例の死刑を言い渡された物の両親の
耐え難い喪失感は消えずに居た、今の樹里奈に出会うまでは

だから蓮見家もまた、他の家庭には無い特別な強い絆で結ばれていたのだ






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