〈選ばれし美肉達〉-4
『クックック……向こうの国に着くまで、瑠璃子は毎日こんなカンジだったぜ?そういや文乃って刑事も、最初は格好つけてたが、直ぐに乱れて汚えマン汁をダラダラと……』
「……この…この下衆野郎!!文乃まで馬鹿にしやがってぇ!!!」
数週間前、この部屋で惨劇は起きていた。
麻里子も春奈も、そして景子も気付く事なく、美津紀と文乃は異国まで運ばれた。
女という存在を、肉体でのみ認める鬼畜達に囚われたとしたなら、もはや無事ではいられまい……春奈に助太刀するという行動は、既に手遅れだったのだと理解してしまう思考を打ち砕く為の絶叫は、虚しくも反響するのみだ……。
『お?画面が変わったか……春奈ぁ、コイツがお前の“飼い主”になる男だ……』
「ッ…!!!」
絶句とは、まさにこの事だろう。
純白なウェディングドレスを着た美津紀に、見るも醜悪なオヤジが抱き着いている。
産毛のような頭髪に真っ黄色な歯。
前歯の抜け落ちた歯茎は茶色く変色し、蕩けた垂れ目と弛緩した頬は悍ましいの一言。
膨らんだ腹は風船のようで、無駄に大きな肉棒は興奮に汁を垂らしている。
その醜い肉団子オヤジは、呻き声をあげながらスカートの中に頭を突っ込み、その内部をベチャクチャと舐め回していた。
「……み…美津紀……?」
「……嘘……これは嘘よ……」
この肉団子のようなオヤジに抱かれながら、美津紀は幼児のようにキャッキャと笑っている。
意味不明な言葉しか発しない様子と、焦点の定まらぬ瞳を見れば、精神に異常を来しているのは一目瞭然だ。
『春奈ぁ…何も気に病む必要は無えぜ?なんたってお前ら姉妹には、変態の血が流れてんだからよぉ』
「だ、誰が変態よ!!変態は貴方で……」
またも画面は切り替わり、今度は薄暗い部屋が映し出された。
強固な支柱に大きな木製の板……それは女体を拘束する為のギロチン台だ……。
ポツンと灯る電球に照らされる女性……腰の括れをギロチンに挟まれ、上体を弓なりに反らすようにして、後手にされた手首も挟まれている……そして、両の足首は、その支柱に枷と金具で固定されていた……。
{ふ…うぅ……あ…くッ……}
尻を突き上げて股間を拡げ、両手を高く上げた美しいS字を形作りながら、汗だくの身体はなめまかしく身動ぎ、切ない吐息を漏らす……その声を、その髪の色を、その長く美しい肢体を、春奈と景子はよく知っていた……。