夢か現(うつつ)か-3
もう剃毛プレイとか、拘束プレイとか、全身リップとか、松本のあらゆる猛攻撃に、奥手な小夜は何度も何度もアクメを迎えていた。
それだけじゃない、小夜も松本に上手く言いくるめられ、恐る恐る松本の身体にも愛撫を始め、二人でアンアン喘ぐ姿があまりに刺激的過ぎて――。
俺は頭の中の糸がプッツン切れたかのように、毛布の中で意識を失ってしまったのだ。
「……翔平?」
ハッと我に返れば、小夜のキョトンとした顔が目の前にあった。
二人分の体重がかかったベッドがギシッと軋む。
「あ……」
「どうしたの? 顔色悪いよ。それにすごい汗」
昨夜の異常な光景を思い出していた俺は、脂汗をかいていた。
しかし、小夜は至っていつも通りで、挙動不審なとこなんて何一つない。
「小夜……、俺、そこのフローリングで寝てなかったか?」
「え、何言ってるの? 酔っ払って最初からベッドに寝てたよ?」
目を反らさないでそう言う小夜は、フッと表情を緩めて俺の頬を撫でた。
最初からベッドに……?
次第に自分の記憶に自信が無くなってくる。
まして、潰れるほど飲んでしまったのだから。
「うーん……」
難しい顔して考えていると、小夜がポンと肩を叩いてきた。
「翔平、変な夢でも見てたんじゃない?」
「ゆ、夢……?」
「そ。お酒大分飲んでたし、悪酔いしてたからきっと夢まで悪いのを見ちゃったんだよ、きっと」
小夜にキッパリそう言われると、確かにそんな気がしてくる。
そっと布団をめくって、下半身に目を移す。
確か昨夜はジーンズもパンツも下ろしたまんま気を失ったはずなのに、今はちゃんと履いてる状態だし。
そして、あの時ずっと握りしめていた小夜のショーツも、当然ながら、どこにもない。
だんだん自分の目にした光景が、幻だったんではないかという気持ちの方が強くなっていた。
それに何より……。
「どうしたの?」
小夜の顔を見れば、反らすことなく、まっすぐ俺のことを澄んだ瞳で見つめてくる。
もし昨夜見た光景が、リアルに小夜の身に起こっていれば、罪悪感で俺の顔を見れないはず。
やっぱり昨夜見たアレは、夢だったのか?