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痴漢専用車両へようこそ
【痴漢/痴女 官能小説】

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各務家の過去-3

「エロ陽子は余計よ。でもそれも軍部が力を持ち始める明治までのことよ。今はそれほどでもないわ」

陽子は謙遜したが、優子は各務家の得体の知れない奥行きの深さを想像して少し身震いした。

「ちょ、ちょっとおしっこしたくなっちゃった。おトイレ行っていいですか?」

身震いしたことによって急激に尿意が催してきた。さっき飲んだ紅茶も影響している。

「ええ、いいわよ。右の扉の向こうよ。付き当たりの右がトイレ」

優子は陽子の示した扉を開けて、廊下の付き当たりまで進んだ。するとセンサーによって右側に広がる空間に明かりが灯った。

「何よこれ!」

優子はその空間を見て驚いた。

廊下の突き当たりの右手には奥行き3m程の洗面所兼脱衣所としての前室空間が広がり、その奥には前室に面して二つの部屋があった。前室から向かって左手が縦横3m程の浴室スペース、右手が縦3m横2mのトイレスペースだった。

何故扉が閉まったままの状態で、浴室とトイレの区別が付いたかと言うと、部屋同士は元より、前室側もガラスの間仕切りとガラスの扉で仕切られているため、中の様子は外から丸見えだったからだ。さらに間仕切りガラス以外の奥の壁は鏡張りだった。

床は前室の洗面所兼脱衣室から続く白い石張り仕上げで、天井からの光りを受けて個室全体をスタジオのように明るく反射させていた。

また念の入った事に、浴室には西洋風のガラス製の浴槽が、トイレにはガラス製の便器が中央にポツリと置かれている凝りようだった。

もし、前室に人が居たら、排泄しているところは元より、排泄物までもが丸見えの状態だった。

(こんなとこじゃ落ちついておしっこできない…)

呆気に取られている優子の後ろにコッソリ忍び寄った陽子が声を掛けた。

「いいでしょ、開放的で」

「ひっ!や、やだ、脅かさないで下さいよ。いつの間に後ろにいたんですか?」

「おしっこちびった?」

「ち、ちびるワケないでしょ」

陽子のからかいに優子は真っ赤になって反応した。本当はホンの少し漏らしていた。

「じゃあ、漏らすまえにどうぞ」

「陽子さんがそんなところに居たらできないでしょ。早く向こうに行って下さい」

こんな丸見えのガラス越しで、他人が居るのに放尿なんか出来るワケがない。

「嫌よ。行かない。折角のチャンスを逃すもんですか。みんなに見せるんだからね」

陽子は後ろ手に隠していたビデオカメラを構えた。

「うそでしょー!バカなこと止めて!絶対に嫌よ!」

優子は目を見開いて嫌がった。

「あらそう?残念ね。嫌ならいいわよ、向こうに行くから」

陽子がスンナリ納得したので優子はホッとした。

「あっ、おしっこしたらそのまま帰ってね」

「えっ?」

「バイバイ、永遠に」

陽子はそう言うと憎らしそうに舌を出して手をヒラヒラと振った。


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