うちの愛猫-7
でも、そんな展開を少しでも期待してたからあたしは勝負下着なんてつけてたわけだし。
そんな展開にならなくて残念に思う自分もいるのも事実で。
数時間前の塁を想って泣いた自分はどこにいったんだろうか。
自分の気持ちが不確かなまま、あたしは一人で顔を赤くして久留米さんの向かいのソファーで俯いていた。
ズズッとアイスコーヒーが飲み干された音がして、顔を上げたら久留米さんは、グラスを静かにテーブルの上にコン、と置いた所だった。
そして、
「ごちそうさまでした。
もうすぐ9時だし、俺帰るから。
遅くまでおじゃましちゃって悪かった」
とあたしに頭を下げ、そのまま腰をあげようとする。
「あの、そんな慌てないで下さい!
おかわりもあるんで」
「いや、明日からまた仕事だろ?
あまり遅くなったらダメだし」
そう言われると大人しく引き下がるしかない。
もう少し二人でいたかったな、なんてシュンとしていたら、半開きになっていたリビングのドアの隙間から、
「ニャー」
とあたしの飼い猫が一鳴きしてから、リビングに入ってきた。