幼馴染と-2
授業が始まってしまえば楽だった。だれも私のことなんて見てないし、女の園にいて興奮してしまうのも授業に集中すれば紛れる。
ただ男性器はずっと勃起したままだった。普通の男の子もこうなの? そんなわけない、中学のときは常に勃たせてるやつなんていなかったし。
トイレのときはどうなるんだろうと人気のないトイレを選んで用を足したら、男性器の方が機能することはなかった。よかった、こっちで用を足す方法なんて知らないし。
昼休みになった。このみと一緒にいると精神がもたないので、委員会の仕事があると言って逃げてきた。人気のない場所で1人食事中だ。
「ふう……」
ようやく何も気にせず過ごせる。目を開けば刺激物だらけということもない。なんで女の子ってみんなあんなにかわいいの。普通の男の子すごいよ、よく我慢してるよ。
早々に食べ終えてしまったけど昼休みはまだ残ってる。ぼうっと空でも見ていようか。
「あ……」
ここからだと階段が視界に入る。2人組の女子が踊り場の窓から校庭を眺めながら話しているようだった。
その2人のスカートの中が見えてしまっている。
見ちゃだめ、と慌てて目を逸らしたけど、見えると知ってしまった以上つい見てしまう。
片方は真っ白のショーツだ。体も小柄だし、とても似合ってる。白パンツの似あう女の子っていいなあ。
もう片方はモスグリーンだ。ちょっと大人なな後ろ姿をしていて色っぽい。モスグリーンの似あう素敵な女の子だ。
ミニスカから覗くショーツ、そこから伸びる太もも。すごくエッチだ。
「うっ、あ……」
自分のショーツの中で男性器が存在を主張している。ショーツがそれを締め付けてしまってじんわりとした何かがそこから広がる。
「だ、め……」
脚を閉じてもじもじする。でも手は勝手に太ももの間に入っていく。スカートの上から男性器をぐりぐり押している。
スカートをめくると、完全に先っぽがはみ出していた。
いけない。これ以上したら、女でいられなくなる。
でも、我慢できなかった。ショーツを少し下ろすと、根本まで男性器が晒された。血管が浮き出ている。びくん、びくんと血液が流れている。
「あ……くっ、ふぅ……」
先っぽを指でくりくりいじる。心地よいけど物足りない。
「んっ……だめっ……」
私の手はしっかりと男根を握ってしまっている。そして、おずおずとそれをしごきはじめた。
「あっ、あっ、やだ……」
男のオナニーの仕方なんて知らないけど、多分みんなこうやるんだろう。だってこんなに気持ちいいんだもん。
知らない女の子のスカートの中を覗きながら、夢中で男性器を摩擦している自分がいた。なんでこんなに欲情してるんだろう。相手は女の子なのに。自分は女なのに。
「やだ、やだ……!」
お腹の奥で何かがこみ上げてきた。熱い何かが、男根の中を上ってくる。いやだ、怖いよ。なにこれ。来ないで。来る。来ちゃう。何か来ちゃう――
「あっ、あん! あんっ! あっ、あっ! 気持ちいい! だめ、止まって! 何これ止まって……!」
男性器から白いものがびゅっびゅと飛び散った。
発射している間も手はとまらなくて、激しく棒をしごいていた。しごけばしごくほど白いのが出てくる。
腰が抜けそうなほどの快感だった。女の子としてのオナニーとは違うものだった。一気に上り詰めて一気に引いていく。そんな感覚だった。
気付くと私がオカズにした女の子2人はいなくなっていた。私の目の前には大量の白いどろどろが広がっていた。これ全部が私の中から出されたなんて信じられない。
「うっ、ふぇ……」
興奮が収まると、今度は涙が出てきた。
自分が男の自慰をしてしまったことがとてつもないショックだった。もう私は女じゃない。男になっちゃった。女の子をオカズにして、男性器をしごいて、精液を吐き出してしまった。
それなのに漏れてくる嗚咽はどう聞いても女のそれで、もうわけがわからない。私は女? 男? というか人間?
まだ涙は出続けているけどどうにかまともに呼吸できる程度には落ち着いたので顔を上げた。
このみが物陰から顔を覗かせていた。
見てたの、このみ?
私がオナニーするところ見てたの?
私が女の子のパンチラをオカズにして、サルみたいに男性器をしごいて、情けない声出して射精するところ見てたの?
もう友達じゃいられない。というか生きていけない。このみにもひどいものを見せてしまった。
自責の念にかられていると、このみがこっちに来た。
「やだ、来ないで。このみ。見ないで、見ないでよ……!」
何されるんだろう。何言われるんだろう。罵詈雑言を浴びせられるのかな。足蹴にされるのかな。いやこんな汚い存在に触りたくなんてないか。
「ひなちゃん……」
このみが私の顔を覗きこむ。
「えっと……とりあえず何があったのか話して? 私ちゃんと聞くよ? 全部説明できなくてもいいから」
このみは心配そうに私のことを見ていた。
受け入れてくれたんだ。こんなわけわかんないことになってる私を。
また涙が溢れてきた。それからしばらくずっと泣いた。チャイムが鳴っても鳴き続けた。その間、ずっとこのみはいてくれた。