愛しきヒトと-3
「あの・・・勇者様?もしかして…もう、射精しそうなのですか・・・?」
思わず、姫様の顔を正面から見てしまう。
その顔は、「まさかそんなはずはない」と信じきっている、純粋な瞳(め)で私を見つめ返してきた。
思わず、今度は姫様から顔を背けてしまう。多分今私は、耳まで真っ赤になってるはずだ。
――何拍かの沈黙。
「…そうですよねっ、魔物とは、射精してはいけない性交を強いられているんですもの…勇者様だって溜まってしまいますよね…?」
姫様が必死でフォローしてくれる。その優しさが余計いたたまれなくて、私はますます小さくなってしまう。
そんな私の頬に、姫様の温かな手がそっと添えられた。
「・・・大丈夫ですよ、勇者様。今夜はこのまま、気持ち良く射精して下さい・・・。」
ぷにぷにしたやわらかい感触が、また亀頭の上に降ってくる。
(ぇ・・・ふわぁっ!!?)
その柔らかさがどんどん下りていって、亀頭ぜんぶが生温かさに包まれたとき、私はおどろいて腰を跳ね上げてしまった。
「んぅっ!ぷはあっ・・・勇者様?気持ちよく、なかったですか・・・?」
姫様の問いかけに、私はぶんぶんと首を横にふる。
(いまっ・・・姫様が、咥えて・・・っ)
「あの…ペニスを咥えて差し上げると、殿方は喜ぶと教わったのですが・・・ふぇらちおと言うのでしょう?」
姫様がきょとんとした顔で聞いてくる。私がなんで慌てているのか、まったく分かっていないみたい。
「・・・続けても、よいですか…?」
上目遣いに聞かれて、私の鼓動はますます速くなる。
憧れのお姫様とこんなコトをしているだけでもスゴイのに、そのうえお姫様が、いやらしく勃起した先走りでべとべとのを咥えるなんて、ダメだ。
姫様の可愛いお顔が、私のを咥えて上下するのを想像するだけで、私はイっちゃいそうになる。
「勇者様・・・?」
私が無言でいるのを肯定と受けとったのか、姫様がおずおずと口を近づけてくる。
そう、今咥えられたら絶対に射精しちゃう。
オトコを知らないお姫様に、前戯だけでイかされちゃう。
「んっ・・・・。」
姫様の唇が、私の先っぽに覆いかぶさっていく。
ダメ。早く、止めなきゃ――でも。
(あっ…はぁぁ・・・・♪)
ぷりっとした唇がカサをこすって通りすぎる感触と、先っぽを包みこむじんわりと温かい感触――その感触に、私は快感のため息をつく。
――あの時、快楽に溺れた私は、そのままイかされることを望んでしまった。
姫様の頭が、ゆっくりと上下しはじめる。
ぎこちない動きだったけれど、散々じらされた私を悦ばせるには充分だった。
そしてなにより、お姫様にくちでシてもらっているという幸福感が、私をどんどん絶頂へと押し上げていく。
(あっ、あっ、姫さまっ…ひめさまぁ・・・っ♪)
快楽で空ろになった瞳で、私は股間に吸いつく姫様を見下ろす。
豊かな黒髪と小さな頭が懸命に揺れているのが見えて、私は思わずその頭を撫でてしまう。
姫様が嬉しそうに鼻を鳴らして、応えるようにご奉仕の激しさを増してきた。
(あ、すごっ・・・ぁ、あっ、あっ、あっ・・・!)
熱っぽいご奉仕に、私はシーツを握りしめて快感をこらえながら、夢見心地で姫様を見つめる。
こちらからは姫様の頭にかくれて見えないけれど、やわらかくてぷにぷにの唇がカリ首を何度も往復する感触は、いたいほど伝わってくる。
(あぁ・・・ひめさまぁ・・・すごいよぉ・・・・)
さくらんぼのように愛らしい唇が、私のいやらしい勃起ちんぽに吸いついて、頬を窄ませながら懸命にご奉仕している――
(あッ・・・ひめさま、ごめんな、さっ…!っ♪うぅっ♪)
アソコに伝わる快感と自分の妄想とがリンクしてしまった瞬間、私はお姫様のおくちの中で暴発していた。
「んぐっ?!んむっ!ふぐぅぅ〜〜っっ!!」
突然の口内射精(なかだし)に、苦しそうに目を潤ませる姫様。
(ごめんなさぃっ…あ、でもっ・・・とまら、ないぃっっ♪)
はじまってしまった射精を押しとめられるはずもなく、私はすべてを姫様のおくちに注ぎこんでしまった・・・・。