名器-2
もう私は立っているのもやっとで、女王に支えられながらなんとか立っている。
そうして体勢をたもちながらも、背中に感じる柔らかな弾力に心を奪われ、その感触を悦んでしまってさえいる。
「反撃もせず、ただ腰を突き出しているなんて…」
仰け反っているので、どうしても腰が前に出てしまう・・・まるで、自分からペニスを差し出すみたいに――
「『扱いて下さい』、とでも言っているつもり…?」
不意の囁きに妄想を見透かされて、鼓動が跳ね上がる。
気づくと、すぐ耳元に、女王の赤い唇があった。
「ほら、どうなの…?」
少しだけスナップをきかせて扱きながら、女王が囁いてくる。
彼女の呼気が、甘くていやらしい雌の香りになって宙をただよう。私は、それを夢中で吸いこんでしまう。
「答えないのは‘肯定’と受け取るわよ…?」
また、耳元で囁かれる。いやらしくて甘い香り。
(あっ、イイ匂い・・・・じゃなくて…っ、答えなきゃっ…『ちがう』って、こた――)
女王の空いたほうの手が、不意に私の胸をつかむ。
そのままむにゅむにゅとこね回されて、私の口からはあられもない嬌声がこぼれる。
「あらぁ…いいお返事ね?」
(あひッ…女王の手っ、すごいぃッ!あああっ、オチンチンも一緒にっ、そんなシコシコしないでぇ・・・ッ!!)
すべすべの手のひらが乳房にしっとり吸いついて、円を描くようにゆっくりと揉みしだいてくる。
時おり女王の赤いネイルが乳首を引っ掻いて、そのたびに私は歓声をあげてしまう。
(こんなのッ、ムリッ…♪手だけで、ぜんぶ搾りとられちゃう・・・ッ!)
完全に、どうする事もできなかった。
淫女王に胸を揉まれ、乳首を弾かれペニスを扱かれるだけで、もう私は、涎を垂らして悦ぶだけの存在になっていた。
「『はい』でも‘無言’でもなく、はしたなく鳴いてお返事するなんて……」
完全に屈服した私を、女王は焦らしも追い立てもせず、ただ淡々と‘作業’を続けていく。
「久々の『モルモット』だから期待していたのに。貴方、今までで最低レベルよ?」
モルモット、という言葉が一瞬気になったけれど、もっと一瞬で快楽に押し流されて、涎と一緒に流れ落ちてしまった。
「…もういいわ。イかせてあげる。」
突然、女王の手の動きが速くなる。
機械的なのはそのままで、早送りみたいに動きだけが加速する。
普通なら痛いくらいの速さなのに、女王の手にかかると、快感も同じだけ‘加速’してしまう。
(あ、すごッ…そんなっ、ジュゴジュゴッてぇ・・・っ!ぁ、あ、ぁ…ッ、コレ、すぐイク…っ、イっちゃううぅ・・・!!♪)
「‘勇者’としては最低なのだから、せめて‘量’では満足させて頂戴…。」
まるで‘私が我慢できるギリギリ’を、最初から知っているみたいな責め方。
はじめは‘我慢できるギリギリ’にしておいて、飽きたらすぐに、‘我慢できないギリギリ’にする――
(――ダメっ…!イっちゃ、駄目・・・!)
でも、まさに‘ギリギリ’のところで、私は自分の使命を思い出す。
そして――私がドラゴンから救い出した、愛しい人のことを思い出した。
(そう…絶対っ、帰らなきゃ…!だから、イっちゃ駄目…我慢しなきゃ駄、あっ♪)
弾かれるだけだった乳首が、女王の指につままれてクリクリされているのに気づいたときには、もう射精してしまっていた。
(アッ♪あッ・・・!ガマンッ――がまんっ、できな・・・あっ♪イイっ・・・キモチ、いいぃぃぃ・・・・・・♪)
「ほら…もっと、もっと出しなさい…。」
ぐりぐりと乳首をつねられ、ペニスを激しく扱かれながら、私はザーメンを噴き上げつづける。
(あっ!あんッ…♪ダメ…とまらないよぉ・・・ッ!)
「あら…期待はしていなかったのだけど。」
無表情でペニスを扱く女王が、かすかに舌なめずりする。
女王はザーメンを受けとめもせず、勢いよく飛んだ飛沫は階段まで飛び散って、赤い絨毯を黒いシミで汚した。
「遺伝が精液量に特化したのかしら・・・『量』だけは合格点ね。」
確かに、私の‘ぼうぎょ’はそれほど高くない。
恥ずかしい話だけど、魔物娘に射精(い)かされたことも、それこそ数えきれないくらいある。
でも、いつもそこから逆転してきたのだ。
一回目は不意を突かれてイかされたけど、次はそうはいかない。
一度射精(だ)したおかげで、気持ちもずいぶん落ち着いてきた。まだ、勝算はある――