花火に舞う乙女恋心-3
そのあまりの唐突な出来事に驚いた。この事を玲奈にどう説明するかが脳裏によぎる。
「せや 匠、この神社の丘の上が一番花火が見やすいで。はよ行こう」
「よく、そんなことが分かるな」
「んもーっ、何ゆうてんの?その場所を教えたのは匠やん」
「ごめん。俺さ実は・・ー」
俺は由利に記憶が曖昧な理由をはなした。
「そっか あれから色々あったんやな、辛かったやろ?」
そのうちに神社の丘の上に着いた。
大きな樹木があって正面に鬼怒川が見える。
記憶が曖昧ではあるが少し懐かしさを俺は感じていた。
すると由利は俺に抱きついた。
ほのかに香るシャンプーの匂いと一緒に女の子の不思議な淡い匂いもする。
「ちょっと、由利どうしたの?」
「記憶が曖昧ならさ、あの時の約束も覚えてないん?」
またその約束の話か
玲奈も似たようなことを言っていたな
「ごめん」
「そうなんや、せや。玲奈も可哀想やな」
「えっ何で玲奈を知ってるの?」
「はぁ?そこまで忘れたんかい!ヤバイで匠!」
「ごめん。覚えてなくて」
今は謝ることしかできない自分に情けなさと怒りがこみあげてくる。
「約束って何なの?」
「それは匠自信で思い出した方がええで。だがらその手伝いはするさかい」
「まぁ、わかったけどさ由利は何で玲奈を知ってるの?」
「はぁ、それだけは教えるわ。うちと玲奈と匠の3人は子供のころは幼馴染みでよく遊んだんや」
「本当に!」
そういえばよく3人で遊んだような感じがしてきたが約束の話が思い出せない