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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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垣間見える過去-6

 


   ◇   ◇   ◇



「……なるほどね」


久留米さんは、二本目の煙草に火を点けながら言った。


結局久留米さんに対する追及も適当にはぐらかされ、あのままあたしは塁に対する相談にのってもらっていた。


言うか言うまいかは最後まで悩んだけど、身体だけの関係をズルズル続けていることも白状した。


どうせ、『モナリザ』に行ったってのはとっくにバレているのだし。


ただこの話をしている時だけは、彼の顔をまともに見ることができなかった。


「……軽蔑しましたよね」


「なんで?」


「だって、もう彼氏でもないのに、諦められないのを言い訳にして、身体だけの関係を続けていて……」


あたしは顔を上げられないまま煙草に火を点けた。


「まあ、人に胸張って言えることじゃないけどね」


やっぱり軽蔑されていたことに、肩が自然に縮こまっていく。


何も言えずに俯いたままのあたしに向かって彼は、


「ハッキリ言うとさ、宗川さんはこれ以上ヨリを戻したいって思っていても見込みないかもね」


と、グサリと胸を突き刺すキツい一言を浴びせてきた。



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