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真実の扉
【その他 推理小説】

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真実の扉〜プロローグ後日談〜-2

「じゃ、問題を話すよ。」 そして、二人は頷いた。「ある家に主婦がいた。この主婦をAとしておこう。ある日の夕方、突然爆発が起きた。Aは爆発によって亡くなった。火元は台所と思われ、天ぷら用の鍋が真っ黒になって転がっている」
 一息つき、問題を続ける。
「水道からは水が出しっぱなしになっていた。Aの旦那曰くその日は天ぷらを作ってくれる約束だったらしい。Aの友人はAと直前まで電話をしていて、途中で鍋から火が出たと言って慌てたらしい。Aの家には珍しく消火器の無い家だった。さて、これは事故か事件か?そして、この爆発の事を何爆発というのかも答えてもらおう」
「うーん。難しくないですか?」
「難しいね」
 二人の難しい、という言葉を聞いて、少し嬉しくなった。
「そうだろう、そうだろう。頭をひねりまくって考えたからな」
 しかし、この言葉は二人とも聞いていなかったみたいだ。ちょっと、ショックだな……。
「そうかっ!分かったぞ!」
 龍仁の声で、さらにショックを受けた。でも、コイツはすぐクイズでもすぐ解く方だから、美穂ちゃんに期待しよう。わかんない方に……。





【頭の良い読者への挑戦状】
さて、これは事故か事件か?そして、この爆発の事を何爆発というのかも答えて欲しい。
ヒントは、俊作の問題の中に隠されている。
わかった読者は続きを読んでも構わない。だが、判らない人の為に、最大のヒントだ。
〇〇〇爆発と呼ばれる爆発で、漢字で3文字だ。
では、解決編にいってみよう。





「うーん。無理です。わかんないです」
 期待通りになってくれて、正直嬉しかった。しかし、龍仁がすぐ解いたのが悔しい。
「このクイズの正解は、事故だね」
 オレが答えを発表しようとした途端、龍仁に先に言われてしまった。このクイズを考えたのはオレなのに……。
「龍仁、俺の代わりに解説してくれ。答え、わかってるだろ?」
「良いよ。キミも疲れてそうだからね」
 そう言うと、解説を始めた。冗談で言ったのに……。オレって一体……? まあ、いいや。本当に分かっているのかを確かめる為に、解説に耳を傾けた。
「これは、水蒸気爆発と呼ばれる爆発によって起こった事故だね」
「水蒸気爆発?」
「そう、水蒸気爆発。水蒸気爆発とは、水がマグマなどの高温と触れ合い、圧力が急激に上昇することにより発生する爆発の事。もともとはマグマが海に入ることにより激しい爆発が起こる現象の事をいうんだよ。この場合、多分天ぷらの鍋に火がつき、Aさんがテンパって水を掛けようとした時に爆発したんだ」
 おお、あってるじゃないか。しかも、説明も完璧だ。どこで、そんな知識を深めたのか謎であるのだが。「へえー」
 美穂ちゃんは頷くと、メモに龍仁が言ったらしき事をを書いていた。感心していると、突然オレの携帯が鳴り出した。二人に、悪いと言った後電話に出る。
「先輩っ! 何やってるんですか?!」
 耳元で、部下の北村 宗太(きたむら そうた)の声が響いた。耳がキーンとする。
「おう、宗太。どうしたんだ?」
「おう、宗太。どうした? じゃないですよ! 雨宮優が脱獄したんですよ!!」
 え、雨宮が脱獄? なぜ、アイツが脱獄したんだ?「どうしてだ?!」
「知らないですよ! 大至急戻ってきてください!」 そう言うと、ブチッと電話が切れた。
「悪り、龍仁。ちょっと、行かなきゃ行けなくなった。また来るからな」
「そうか、分かった」
 扉を開け、勢いよく閉めた。外に出て、事務所の窓を見ると、龍仁が窓から顔を出していた。そして、こう叫んだ。
「次は、もっと難しい問題を考えてくれよ!」


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