ライバル宣言?-2
「茉莉菜とも軽い気持ちでつき合ってたのか?」
亜梨紗は俺に背を向けたまま尋ねてきた。
「えっ?」
「茉莉菜も....その他大勢の一人だったのか?って聞いてるんだよ!」
亜梨紗は振り返って、俺を怒鳴りつけた。
「違う!俺は本気だった!本当に茉莉菜の事....」
「クックックッ.....」
やがて亜梨紗は堪えきれずに大笑いしだした。
「なにムキになっているんだ?冗談だよ!一年以上も前の事じゃないか!今、お前が誰とつき合おうとお前の自由じゃないか!」
「亜梨紗!?」
「日曜日に友達と遊園地の前を通った時に偶然見かけたんだ!お前がこの前逢った綺麗な人と腕を組んで歩いている所をな!で今日はこんな可愛い子と仲良く歩いているし....だからちょっとからかってみただけだ!で....どっちが本命なんだ?それとも....本命は別にいるのか?」
亜梨紗は笑美ちゃんに聞こえないように、俺の耳元で囁いた。
「亜梨紗!」
「フフフ....今度教えろよ!」
亜梨紗はそう言って走り去って行った。
「あの人....イメージが変わったね....」
「えっ?」
「この前逢った時は暗い人かなって思っていたから....」
「お姉さんも言ってたけど....悩み事が解決したんじゃないの?」
「そうかな....」
笑美ちゃんは一瞬不安そうな顔をしたが、すぐにいつもの笑顔で俺の腕にしがみついてきた。
「行こう!純兄ちゃん!」
「そうだね!」
俺達が歩きだそうとした時後ろから声をかけられた。
「バカップルが修羅場を迎えてると思ったら....葛城君達だったの?」
「えっ?」
俺達が振り返ると姫川さんが立っていた。笑美ちゃんは慌てて俺から離れた。
「おはよう!葛城君!笑美ちゃん!」
姫川さんが笑顔で言うと
「おはよう!姫川さん!」
俺も笑顔で返した。
「おはよう....美菜お姉ちゃん....」
笑美ちゃんは恥ずかしそうに小声で返した。
「私に遠慮しなくてもいいのよ!」
「えっ?」
「二人はつき合っているんでしょう?」
「別に....俺達は....」
「あら?昨日聞いたよ!この前笑美ちゃんが葛城君に手作りのお弁当を持って来たって!ねぇ!教えて!いつから二人はつき合ってるの?」
「あっ!私!今日、日直だった!ゴメンね!純兄ちゃん!先に行くね!」
笑美ちゃんはそう言うと走って行ってしまった。
「うまく逃げたな....」
俺がそう呟くと
「えっ?何か言った?」
姫川さんが興味深かそうに聞いてきた。
「べ..別に....」
そう答えたが姫川さんは意味深そうに笑っていた。