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Betula grossa
【ラブコメ 官能小説】

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ライバル宣言?-1

「少年!昨日は迷惑をかけたね!」
朝、学校へ行こうとマンションを出た所で声をかけられた。振り返ると梓さんと笑美ちゃんが立っていた。
「いえ....いつもの事ですから気にしないで下さい!」
「ハハハ....それはどういう意味かな?」
梓さんは苦笑いを浮かべていた。
「別に深い意味はありません....言葉通りの意味ですから....」
「あのなぁ!少年!」
梓さんはそう言いかけたところで何かに気づいたように
「そうだった....こんな私から卒業するんだった....じゃ!しっかり勉強するんだぞ!」
梓さんはそう言って歩いて行った。俺が拍子抜けした顔で見送っていると
「純兄ちゃん!早く行かないと遅刻しちゃうよ!」
「あっ!そうだね!」
俺は笑美ちゃんと学校へと歩き出した。
「梓さん....何かあったの?」
「あのね....今度の土曜日に婚約したお姉ちゃんの友達をお祝いする事になっていて、そこに友達の婚約者の友達も来る事になって、彼氏を見つけるチャンスだって張り切っているの....」
「今度の土曜日か....外出を避けたほうが良さそうだな....」
「えっ?どうして?」
笑美ちゃんは不思議そうな顔をした。
「1ヶ月程前の事だけど....梓さんクリスマスまでに彼氏を作るって張り切っていて....」
「えっ?そうだったの?」
「うん....でも....結局ダメで....酔っ払って....たまたま通りかかった俺に....」
あの時は大変だったと、大きなため息をつくと
「それは災難だったね....」
笑美ちゃんがしみじみと漏らした。
「うん....」
俺は大きく頷いた。
「笑美ちゃんは大丈夫なの?」
「えっ?何が?」
「梓さんに絡まれた事ないの?」
「幸いな事にまだ一度も....でも今度の土曜日は危ないのかな?」
「多分....」
「ああっ!お姉ちゃんが聞いたら怒るよ!」
「えっ?あっ!梓さんには内緒にして!」
俺が両手を合わせて頼むと
「どうしようかな?」
笑美ちゃんは両手を後ろで組んで楽しそうに笑った。
「本当にお願いします!」
「仕方ないなぁ....お姉ちゃんには内緒にしてあげる!そのかわりに....」
「そのかわりに?」
恐る恐る笑美ちゃんの顔を見ると
「ゴメンなさい!純兄ちゃん!」
笑美ちゃんがいきなり頭を下げた。
「どうしたの?」
いきなりの事に戸惑いながら尋ねると
「今日....寝坊して....お弁当を作れなかったの....昨日約束したのに....」
「なんだ....そんな事か....別に気にしなくてもいいよ!」
「本当に?」
笑美ちゃんは不安そうに下から俺を見上げた。
「ああ!」
俺が頷くと
「良かった!だから!純兄ちゃん大好き!」
笑美ちゃんは笑顔で俺の腕にしがみついてきた。
「お前!どっちが本命なんだ?日曜日にデートしてた子とその子....それともお前フタマタかけてるのか?」
通りすがりに立ち止まって、俺だけに聞こえるように呟いて立ち去っていった少女がいた。見ると亜梨紗だった。
「亜梨紗!待って!」
俺は笑美ちゃんを振りほどいて亜梨紗の肩を掴んだ。
「離せ!」
亜梨紗の言葉に
「ゴメン....」
思わず手を離した。


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