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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの世界-5

あたしの住んでる街は遊べる所が本当に少ない。


買い物したり、映画を観るなら郊外にあるショッピングモール。


それ以外で遊ぶとしたら、カラオケや漫画喫茶、ボウリング、ビリヤード、ダーツ……ぐらいかな。


でも、実はカラオケぐらいしか繁盛していなく、残りの娯楽施設は細々と風前の灯火のごとくささやかに営業している。


では、この街の人はどこに集まるかというと、あたしが今立っている、全国チェーンのレンタルビデオ屋にやってくるのだ。


少ないお金で、家でのんびり時間を潰せるから、ここはいつも大繁盛だった。


日曜日なんて駐車場を探すのに苦労するくらいである。


今日も暇人でごった返す店の中をかいくぐり、レジに向かった。


レジで返却を済ませて、まっすぐ帰るつもりだったけど、このまま帰った所で、また退屈になるのはわかりきっている。


何か借りて帰ろうと決めると、あたしはさらに店の奥へと歩みを進めた。


あたしは外国映画よりも、日本のドラマや映画が大好きだったりする。


洋画もたまに観ると面白いんだけど、日本のドラマや映画の方が気持ちが入り込めるのは、同じ日本人だからだろう。


思いっきり恋愛モードになれそうなドラマが急に観たくなって、あたしはドラマコーナーへと足を運んだ。





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