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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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それぞれの世界-12

店内に入るとよくきいたエアコンの風があたしの汗ばんだ身体から体温を奪い、その心地よさにフウと息が漏れる。


煙草はレジカウンターの後ろにあるから最後でいいやと、先に飲み物を買うことにした。


お茶コーナーの前でしばらく迷っていたけれど、ふと視線を左にずらせば目に入ってくる文字。


それを目にしたあたしは、ふと妙案が思い浮かんだ。


……そうだ、自棄酒しちゃおう。


そう決めると、すぐ後ろに置いてあったカゴを一つ持って、アルコール類が並ぶ棚の扉の前に立って何を飲もうか考え始めた。


あたしはさほどお酒が強くないから、そんなにたくさん買い込まなくても大丈夫だろう。


そう思いながら、あたしは棚に並んだカラフルな色をしたカクテルの入った瓶、みずみずしいフルーツのイラストが描かれた缶酎ハイなんかを一つ一つ手に持っては、どれを飲もうか吟味し始めた。




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