体育祭の優勝ご褒美-4
『赤組290点 白組300点』
最終種目は全学年選抜紅白対抗リレー
しかもことあろうか俺が赤組のアンカーをやることになった。さらに副アンカーは玲奈。
その反対側の白組のアンカーは百瀬 春。小学校時代に全国大会に出場して準優勝をした経緯があるらしい
やはりただのヤンキーではなかったか。
閃光の女番長という肩書きはそういうことかと俺は思った
「よっ。おたっくんがアンカーか?残念だけど優勝は白組が貰うから諦めてくろな」
「俺も負けないよ。春さん」
「おーおーっ 言うようになったんじゃねーけ」
「あったりまえです!こっちにはご褒美がかかってるんで」
「そのご褒美ってなんだ?」
「ふっ ふっ ふっ それは・・・」
直後、俺の片足に重量物が落ちたような激痛がはしる。
グボッ
「イテテテテテテテテテテ!」
玲奈は笑顔で俺の片足をグリグリと踏む
「ふふっ 春も匠も正々堂々頑張りましょう・・・ねっ!!」
(匠!余計なことは言わないように他言無用ですよ!)
玲奈の目が炎如く訴えていた。
すると春が俺に肘打ちしてくる
(いやー熱いな。お二人さん!将来はおたっくんが玲奈の尻にしかれるべ)
「うるさいよ、春さん!」
「キャハハハ」
そして紅白対抗リレーがはじまる
「位置について、よーい・・・・どん!!」
パアァァァァァン
銃音とともにスタートした。
まずは赤組が好スタートで白組を突き放す
対抗リレーは6レーンで4レースある。俺はアンカーで最終の4レースに走る。
終盤になり双方の応援がより過熱してゆく
そして副アンカーの玲奈に回ってきた。
「お願い、玲奈さん。」
バトンを受け取り走り出す玲奈
すると赤組応援が玲奈コールに代わり白熱する
俺もスタートラインでスタンバイして玲奈がやってきた
今のところは1位で走る玲奈
以下2位と3位に赤組が続いている。
このまま1位 2位 3位に赤組がなれば逆転優勝する
大一番の場面だ。
だが運命は予期しない状況を造り上げた
「きやああぁ!」
ドザザザザザッ
玲奈がバトンを渡す寸前に転んでしまう
そして1位 2位が赤組が走り3位に白組が走る
このままだと優勝はできない
赤組の周囲からは落胆の声があがり玲奈はうつ向いてしまう。
『玲奈!まだだ!諦めるな。アンカーの俺がいる!任せろ!』
その声に応えるように立ち上がり玲奈は土まみれになりながら俺にバトンを託した
「ごめん、足を引っ張っぱっちゃって・・・・」
「気にするな!優勝したらご褒美を忘れるなよ」
涙を拭いながら玲奈が応える
「うん。わかった」
笑顔で玲奈は俺を送り出す
ここまできたら1位をとって逆転優勝してやると闘志を燃やして走りだす。