ナンパ野郎-1
「あっ……、ああ……やっ」
熱い舌が、あたしの脚の間を丹念に舐りまわす。
鼠径部から、大陰唇の合わせ目、さらにはそこからはみ出た左右非対称の小陰唇、その上部でちょこんと愛撫を待っている陰核、そして次から次へと淫汁が溢れる膣口。
それらを一つ一つ丁寧に味わうかのような愛撫に、押さえ付けられた脚がガクガク痙攣しだしている。
くすぐったさに似た気持ちよさで、あたしは秘部に顔を埋める男の髪をグシャグシャにかき回していた。
ピチャピチャとはしたない音と、自らの淫らな声が、よりあたしを辱しめる。
男は相当経験があるのだろう、口に出さずともあたしの望む刺激を与えてくれた。
優しく割れ目を舌でなぞる、その動きに合わせて脚がもっと欲しいとねだるように自ずと開いてしまう。
「くるみちゃんのここ、おいしいよ」
「ああっ……はっ……あぁんっ!」
クンニしながらあたしの反応を伺う男は、時々あたしの身体が跳ね、繋いだ手に力が入ると、嬉しそうに目を細める。
そして、優しく優しくまたあたしのヴァギナを舌で触れるのだ。
「ああん……、気持……ち……い……い」
息も切れ切れにそう漏らすと、男は気をよくしたのか、今度はクリトリスを舌で弾くように動かした。
「ひゃあんっ! だ、だめ……! ま、またイッちゃ……」
仰け反る身体はもう何度イッてしまっただろう。
男は舐めるのが相当好きみたいで、胸やヴァギナはもちろん、首や耳、脇の下や膝の裏、果ては脚の指まで、あらゆる部位をざらついた舌で舐められ、あたしの意識は何度も飛びそうになった。
身体は挿入もまだだというのに、何度も何度もイカされて、そろそろ限界を迎えたあたし。
「くるみちゃんのここ、ヒクヒク痙攣してる」
「お、お願い……ススムくん……。ね、ねえ……、もう挿れて……」
数時間前に知った名前を呼びながら、あたしは瞳を潤ませて彼を見つめた。
すると、浅黒い肌のススムはニヤリと白い歯を見せてあたしの脚の間に身体を割り入れてくる。
大柄で筋肉質なその体躯は、確かラグビーだかアメフトだかをやっていたとか。
彼のナンパで出会ったあたし達。
あっさりとした顔立ちがなかなかいい感じだし、女の子慣れしてるのか話題もスマート。
ランクでいったら間違いなく上に入るだろう。
何よりも前戯だけで何度もイカせてくれるほどセックスもうまい。
――きっとこの人なら、アイツを忘れさせてくれる。
そんな気がしてあたしはススムを仰いだ。
すると彼は、あたしの手を掴んでノリのきいたシーツの上に押さえつける。
そして、
「くるみちゃん、ちゃんと誰の何をどこに挿れて欲しいのか言わないとあげないよ?」
と、エロマンガみたいな台詞をあたしに言ってきた。