プロローグ-1
季節は春
道脇に咲く桜並木の花びらがヒラヒラと暖かい南風に吹かれていた
俺の住んでいる所は関東の茨城県。
自然豊かな田舎町だ
周りを見渡すと畑や田んぼが目立ち筑波山が見える。
そんなのどかな場所に数年前、過疎化を防ぐため大規模な都市化計画が発足した。
その先駆けに建設されたのが私立桜学園だ。
学園内には小学校から大学院まである。さらに最近は大型ショッピングモールまでできて周囲の町から桜学園都市とまで呼ばれるようになった。
でも田舎町にはかわりない。
その私立桜学園高等部に通う一年の俺は空野 匠。
容姿はイケメンで中学まで告白された数は数知れずだったが彼女はできず付き合ったことすらない。さらに友達もいなかった。
なぜなら、なぜなら俺はイケメンだけど
萌えアニメが好きなオタクだからだ!
もちろん俺の部屋は痛部屋だ。アニメグッズやフィギュアが約数百個はある。
だからその容姿と内面にギャップがありすぎて周囲に溶け込めずにいた。
今の高校生活でもその悩みは消えずいる
そして現在に至るわけで・・・
「はぁ・・」
朝の登校から深いため息をついた。
かれこれ高校生活に期待を弾ませて早くも数週間が過ぎている。
学園に着いて二階にある1年1組の教室が俺のクラスだ。
そしていつもと変わらない時が過ぎてお昼休み
事件はおきた。
「失礼します。」
俺の教室に上級生がやってきた。しかも美少女
「あっ、生徒会長!何か用事ですか?」
クラスの女子が駆け寄る
生徒会長。容姿が黒髪のロングで緑の瞳
胸も巨乳で程好い肉付きに俺も含めた男子は釘付けだ。
「あの、このクラスに空野 匠君はいるかしら?」
「あー、おたっくんですね!おたっくーん呼ばてれるよ」
おたっくんとは俺のアダ名でクラスの女子はイケメンの俺がオタクということは知られている。
「何んでしょうか?生徒会長」
「あなたが空野 匠君ね。話があるので放課後、生徒会室まで来てください。」
「はぁ、わかりました」
そう言って生徒会長はいってしまった
そして放課後
俺は生徒会にやってきた。
「失礼します。空野 たっ」
「どわぁーっ!どいて!どいて!」
いきなり赤髪のメガネ女子が突進してきた
さらにその後ろから金髪の女子が追いかけてきた
「うおりゃー!逃げ場はねぇべ!大人しくすんだ!」
「きやぁー、やめて!降参!参りました!ふえぇーん」
「だったらアタシの宿題を手伝うんだべ?」
「ハイハイ!手伝いますぅ〜!」
「ちょっと!二人ともいい加減にしなさい!お客がきてるんですよ!」
「生徒会長。」
「すみません。お見苦しいところを見せてしまいました」
「いえ。あのお二方は一体?生徒会の方ですか?」
「えっと、まずは」
生徒会長は説明をした。
まず赤髪のメガネ女子は二年生で生徒会副会長の花見川 理名。そして金髪の女子は二年生で生徒会会計の百瀬 春
「はじめまして。花見川 理名です。生徒会副会長をやってます。」
「あたすは百瀬 春。生徒会会計をやってるんだ。よろすく!」
「ぷっ!訛ってる・・・」
「あっ可鈴!てめー!うるせーよ!」
可鈴とは天上 可鈴。俺と同じ一年生で生徒会書記をやっている。少々無口だけと容姿は可愛い。
「あーっ!皆さん、そこらでやめとかんと、そろそろアタイも」
ビクッ びくっ びくびく
生徒会長の一喝で急に怯える三人 生徒会長って何者なんだ? その時の俺はま知るよしもなかった
まさか美少女生徒会長が次期組長だなんて
「こほん。空野匠、君にお願いがあります」
「はい。何ですか?」
「私と付き合ってくれませんか?」
「え!」
「でっですから、私と付き合ってくれませんか?」
まさかの美少女生徒会長から告白をされた
これは夢か?俺は顔をつねってみた
「いててててて」
「おい!空野匠君!生徒会長が付き合ってくれませんか?とお願いしてるべ!何か答えねーとダメだっぺ!」
胸元を掴まれて春に問い詰められた。
「あのさ、空野君。彼女、百瀬春は中学時代の頃、相当なヤンキーで関東に名を轟かせた閃光の女番長と呼ばれていたんだよ」
重大な知らせを唐突に言う理名の言葉に俺は凍りついた
イヤイヤ!オタクの俺がヤンキー美少女に勝てるわけがないじゃんか!
春のヤンキー流のガン飛ばしを喰らって屈伏した
「わっわかりました!付き合いますので〜命だけは!」
「なんにいってんだ?命はとらねーよ!」
なんとか殺されずにはすんだ。とホッとした。
すると生徒会長が
「本当ですか!空野匠君!」
「はい!こんな俺でよければぜひ」