【A】-2
そのとき初めて、ドッペルゲンガーの顔は引きつった…。
「しかし、博士、これで本当に良かったのでしょうか」
とある田舎の研究室。博士と呼ばれた60くらいの男と、若い青年がイスに座っていた。
「私もそれを考えていた。人体には直接的な害は無いといえど、自分と全く同じ動きをする幻影が見える放射能がもれ出してしまうとは」
「大混乱が起こったでしょうね」
「ああ。まあ、5分程度で抗体が身体の中にできるから、普通の人間には恐れている間に、幻影は消えるだろうがな…」