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forget-me-not
【女性向け 官能小説】

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あたしが欲しかったもの-7

みるみるうちに目を潤ませていく恵ちゃんは、しきりに垂れてくる髪の毛を耳に掛けては唇を噛み締め、を繰り返していた。


自分の付き合い方を間接的に否定されたんだから、不安になっているんだろう。


もっと、不安になればいい。あなたみたいな普通の娘には、陽介は役不足なの。


陽介はあなたみたいな女の子の手に負えるような男じゃない。


「陽介のめんどくさがりな気持ち、よくわかるの。あたしも同類だから」


「同類……」


「そ。まあ、あたしもそれなりにいろんな男と付き 合ってきたんだけど、カノジョの定義って言うのかな。カノジョだからイベントは一緒にとか、カノジョだから毎日連絡を取り合うとか、恋人が当たり前にすることが面倒に思うのよね」


恵ちゃんが当たり前にしてきた付き合い方、それが陽介にとっては重いんだよ。


「まあ、恋人としての義務ってやつがウザいんだよね。陽介もあたしと同じ考えでさ。束縛もなしに自由に遊んで、エッチしたい時にエッチしてればいいって。だからあたしは陽介と長く続いたんだと思う。面白いよね、歴代付き合ってきたカノジョとは長続きしないくせに、身体だけって割り切ってるあたしとの関係が一番長続きしてるんだから」


そう言って髪の毛をくるくる指に巻き付ければ、それは巻いてるそばからパラリとこぼれる。


ふんわりパーマの恵ちゃんとは対照的なあたしのストレート。


陽介は、巻いてる髪よりも、サラッサラなストレートヘアが好き。


陽介は、女の子らしいコンサバな服よりも、今あたしが着てるような露出の多い服が好き。


陽介は、普通に可愛い女の子よりも、みんなの目を惹くような綺麗な女の子が好き。


「あたしが一番陽介のことをわかってるの」


そう口から出た言葉は、恵ちゃんに向けたと同時に、自分に言い聞かせていた。





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