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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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トラブルの果てに-14

その時、トントンと肩を叩かれ、あたしはふと顔を上げ叩かれた方を見た。


そして、思わず息を呑んでしまった。


見れば久留米さんが、あたしに向かってここから少し下がった所に来るように手招きしたからだ。


「……どうしたの」


やはりあたし達のやりとりは端からみてもおかしかったらしく、彼は難しい顔をしながらあたしを見ていた。


それでも、こうやって気にかけてくれる人がいたことがありがたくて、涙がこみ上げてきそうになる。


しかも、他人のことなんて一切気にかけなさそうな、あの久留米さんが、である。


でも、こみ上げてくる涙をなんとかこらえながら、久留米さんに受け付けできない事情を説明した。


あたしの拙い説明を真剣な顔で聞いてくれる久留米さん。


一通り事情を話し終えると、彼はあたしに、まるで“任せろ”と言わんばかりに頷いた。


久留米さんは、ご夫婦が座る机の前に立ったかと思うと、深々と頭を下げた。





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