滲む瞬間（とき）-3
「友紀ちゃんはきれいになるよ。きれいにしてあげるよ」
両手で頬を包み、その手は首筋、肩へと移動していく。
「美しい体になるために。きれいな女性になるためにいっぱいパワーを送るよ。力を抜いてね」
言いながら胸に掌を宛がい、その膨らみを軽く押し上げた。友紀が一瞬身を縮めた。
（柔らかい……）
乳腺などまだ発達してしない小さな丘だ。
流れるように脇腹から腰へ。ときおり体をくねらせるのはこそばゆいのだろう。
太ももを摩りながら、彼は股間に鼻を寄せた。
（うーん……）
異臭だが、昂奮に繋がって勃起した。
鼻息がかからないように臭いを吸い込む。頭がくらくらした。
（ここに少女の割れ目がある……）
椎名はむしゃぶりつきたい衝動を必死に堪えた。
その後うつ伏せにしてその姿態を堪能した。すらりとした脚だが、太ももはしっかりしている。特に尻の形、ボリュームはすでに『小さな女』であった。
そして今日、ほぼ同じことを繰り返したのだが、触れる部分をより局部に近づけていった。
恥骨を軽く指で圧してみた。性器のすぐそばだ。自分でもひやりとした。友紀の様子を窺った。口を固く結んでいるが拒否することはなかった。
丘の盛り上がりはささやかだが紛れもない秘部の肉付きが健気に思う。
（見たい……）
が、まだ早い。パンツを引き下げたい衝動にかられる。一物はビンビンである。
（発毛はまだだろうか……）
この日のパンツは縁にレースの入ったベージュ色。不似合いなほど大人っぽい。大人への憧れがあるのだろうか。
触れる寸前まで顔を近づけてにおいを嗅いだ。前回より一段と強い発酵臭がつんときた。くせのあるチーズのようだ。
溜息が出るほどきれいな肌である。見飽きることがない。特に内股の輝くような白さはすべすべである。
手のひらを滑らせていく。股の付け根に指が当たった時、友紀の体が微かに伸び、小さな息が洩れた。
（ん？……）
くすぐったかったのか？
もう一度ゆっくりさすってみる。
「あ……」
はっきり声を上げた。可愛い声だ。
「友紀ちゃん。痛い？」
「ううん……」
「痛くないんだね？」
「はい……なんか……いい気持ち……」
椎名はときめいた。
「きれいになってるからね」
「はい……」
（感じてきているのかもしれない……）
だとしても感覚は微妙なものだろう。急いではだめだ。……
スリップに浮き出た乳首。手を広げ、膨らみには触れず突起だけを掌でこすり、回転させる。
「あ、あ……」
たしかな反応だ。
「きれいなお胸になりたいでしょう？」
「は、はい……」
両乳首を同時に擦る。
「あ、あ、……先生……」
扁平な胸がわずかに反る。
「どうしたの？」
「なんだか、変な感じ……」
「パワーが伝わってる証拠だよ」
体の奥に芽生えた女の蕾が少しずつ大きくなってきているにちがいない。開花に向かって幼い肉体が精いっぱい伸びあがっている。
蕾は色づき始めたか。……
うつ伏せにしてキュートな尻を見下ろしながら椎名はペニスを露出させた。犯すつもりはない。昂奮とあまりの可愛さに貫く真似事をしてみたくなったのだった。
跨り、尻の割れ目に先端を近づける。この尻がいずれ一回りも大きく張ってくるのだ。そうなる前の初々しい少女の尻肉。熟れた女の尻はこれまで何度も顔を埋めて貪ったものだが、込み上げてくる昂奮はまるでちがうものだ。ぎらぎらした劣情の感覚はなく、震えるほどいきり立っているのになぜか切なさに胸が痛み、透明な感情が溢れてきていた。
「スタイルよくなるようにマッサージするよ」
尻を撫で、股肉をやさしく揉む。手に伝わる感触が素晴らしい。内側、外側、滑らかな肌だ。ふくらはぎだけを見ると子供だが、腰のくびれは女である。
丹念に摩り、揉み込んでいく。ときおりかすかな身悶えが起こる。強張って尻が引き締まることもある。性感によるものなのかは判然としないが、気持ちがいいのはまちがいないだろう。いずれ性的な心地よさがこの子の体を走り抜ける時が来る。
（焦ってはならない……）
だが、待ち遠しい。
あと二週間ほどで夏休みに入る。毎年夏は休む子が多いので変則授業にしている。前半と後半に夏期講習として集中授業を組んで調整し、八月半ばは原則として休講としているが、希望者のみ個別授業を行っている。
（友紀を誘ってみよう……この子ならきっと来る）
それまでに十分な下地を作っておかねばならない。熱を帯びた掌が肌に吸いつくようだった。