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もう君に会えない
【大人 恋愛小説】

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出会う-6

あたしがしばし呆然と久留米さんを見つめていると、彼は訝しそうにこちらをチラッと見た。


眩しいものを見るように目を細めたのは、恐らくあたしがジロジロ見ていたことに対し、ガンを飛ばしてきたんだと思う。


ビビってしまったあたしは慌てて目を逸らす。


……こ、この人、感じ悪い上に怖い。


あたしは俯きながら、自分を落ち着かせるように煙草をゆっくり吸った。


それでも、噂の久留米さんの様子が気になって視線だけを彼の方に動かせば、ライターをポケットにしまって、窓の外を黙って眺めている彼の横顔が見えた。


少し癖のある短い黒い髪はラフな感じでちょっと可愛い感じに見えるけど、切れ長の鋭い瞳とややつり上がった眉は実はあたし好みであったりして。


ふと大久保さんの言葉が蘇る。


――アイツ、結構カッコいいし宗川さんの理想通り背も高いしガッシリしてるよ。


あの時言った理想のタイプなんて、文屋さんを牽制するための出任せだったけど、こうして見れば久留米さんって人は、かなりいい線いってるかもしれない。





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