頭の中で鳴る警報-7
気付けば、スウッと涙がこめかみをつたって落ちていく。
あたしの前でも、恵ちゃんの手を離さなかった陽介。
いちいち彼女を気にかける優しい陽介。
ねえ、あの娘と今も一緒なの? あの小さな身体を抱いているの?
陽介、もうあなたに触れることはできないの?
もう、あたしに触れてはくれないの……?
鼻を一すすりしたあたしは、右手をゆっくり下に滑らせていく。
「陽介……」
陽介の幻影を浮かべながら、あたしの右手はデニムスカートの中に、そっと指を忍ばせていった。
汗なのか、すでにショーツは湿っていて、それが不快だったあたしはするりとそれを脱ぎ捨てる。
普段はオナニーなんてほとんどしないあたしだけど、久しぶりに陽介と会ったせいか、身体が疼いて仕方ない。
火照った身体を鎮めるには、もうこうするしかない。
さらにはストレッチの効かないデニムスカートがもどかしくて、それも脱ぎ捨てる。
開放された下半身を思いっきり開いたあたしは、その中心部に中指を差し入れた。
「あ……」
驚いて息を呑む。と言うのも、イヤらしい妄想もしてないし、愛撫もしていないのに、奥の泉からは驚くほど蜜が溢れていたからだ。
陽介と会っていない間、全く男日照りだったわけじゃない。
それなりにセックスは楽しんでいたつもりだった。
なのに、陽介の姿を見た途端、身体が抱かれていた記憶を思い出したのだろうか、パブロフの犬みたいに、脚の間から涎を垂らしているみたいになっていた。
「んっ……」
潤滑液を中指で掬いとると、まずは大陰唇にそれを塗って滑りをよくする。
もう片方の手でブラのホックを外したあたしは、服をたくし上げて小振りの胸を露にした。
親指でかすめる程度の強さで、胸の突起をスッとなぞれば、背中から切なさに似た甘い痺れが駆け抜け、子宮に届く。
「はっ……、ああ……」
半開きになった口から荒くなった呼吸が漏れたあたしは、陽介に抱かれた記憶を手繰り寄せながら次第に、その手の動きを大胆にさせていった。