頭の中で鳴る警報-11
キスだけでこんなに反応する身体ではなかった。
それが相手が陽介だと、キスだけで、いや、手を繋ぐだけで、こんなにもこの身体は臨戦態勢に入ってしまうのだ。
今まで男からちやほやされてきたあたしは、彼らに対して高飛車な方だと我ながら自覚している。
なのに、どうして陽介が相手だとこうも腑抜けになっちゃうのかな。
そっと唇を離した陽介は、あたしの瞳がトロンとしたのを確認してから、
「な、ソレ使って一人でシてみて」
と、優しく囁いた。
部屋が煙草の香りに包まれている。煙でうっすら白い靄がかかる。
その発生源の陽介は、二人掛けの小さなソファーで煙草を燻らせながら、ベッドに横たわるあたしを、自分が見下していたバイブでよがりまくるあたしを、ニヤニヤ見つめていた。
「あああっ……! あっ、や、あんっ」
「ちゃんと入ってるとこ、見せろよ」
「は……い……ああっ……」
言われた通りに陽介に向かって脚を広げながら、あたしは懸命にソレを男がするみたいに動かしていた。
付き合ってた男は、コレを使ってセックスしてみたいって言ったんだっけ。
きっと前戯のアクセントくらいの、そんな軽いニュアンスを含んでいただけだったのかもしれない。
その時はソイツが気持ち悪くて仕方なかったけど、今思えばそんな頼みは他愛のないもんだったことに気付く。
だって、今あたしがしてることは、元カレの頼みよりもはるかに変態的で、屈辱的な行為だったから。
「はっ……あああっ、……んああっ!」
あたしの中で暴れまくる異物。
うねりは規則的だけど、中で円を描くようにかき混ぜられると、時折ピンポイントであたしのいいところに当たって、その度に背中が反り返る。
さらには、そのバイブはクリバイブ付きだから、陰核を同時に責めることができる弁のようなものがついていて、これがまたスゴい。
「あっ、あっ、ああっ、ダメッ、すご……」
バイブ本体のうねりとクリバイブの弁の震えはまだまだソフトなものなのに、初めて使ったあたしには、ものすごい衝撃だった。