女子大生 成宮恵理-17
「ン……ぁぁ……」
悠一郎の手は優しく動く。
愛撫という呼び方に相応しい、ソフトなタッチ。
しかしどこか物足りない。
二人の間を遮る物が邪魔になる。
悠一郎の手が一旦恵理の服から抜けて、キスを続けていた唇も離れた。
長いキスから解放された恵理は蕩けるような表情をしていて、悠一郎を見つめる目もトロンとしている。
お酒だけでなく、悠一郎のテクニックにも酔ってしまったようだ。
「脱ごうか。」
その一言で、悠一郎は恵理の服を捲り上げていく。
恵理もそれに従うようにして腕を上げた。
恥ずかしさは凄くあるけれど、悠一郎と触れ合っていると服が凄く邪魔に感じてきてしまう不思議。
裸になりたい、悠一郎に直接触れてもらいたいと思ってしまう。
服を脱がせ、そしてブラジャーも。
悠一郎は服の脱がせ方まで上手で、なんだか手馴れている感じがした。
服を首から抜いたと思ったら、いつの間にかもう片方の手が背中に回っていてブラジャーのホックを外された。
でもそこからはじっくりと、その瞬間を楽しむように、恵理の羞恥心を刺激するようにブラジャーを胸から離していく。
そしてゆっくりと悠一郎の目の前に晒される、恵理の乳房、そして乳首。
恵理は恥ずかしそうにして顔を横に向けていた。
「綺麗だね。」
その甘い言葉でさらに顔がカァっと熱くなる。
恥ずかしいけど、嬉しい。
すると今度は悠一郎が服を脱ぎだす。
恵理はその様子を遠慮気味に、でも目が離せないといった感じで見つめていた。
なぜか自分が脱がされる時以上に胸が高鳴ってしまう。
男らしく服を脱ぎ捨てて、恵理と同様に上半身裸になる悠一郎。
「……。」
服を脱いだ悠一郎の姿を見て心の中でわぁ≠ニ声を上げる恵理。
こういう雰囲気の中で改めて悠一郎の身体を見ると素敵≠ニ思ってしまう。
肩幅が広くて、程好く筋肉質で男らしいんだけど、肌は凄く綺麗。
まるで雑誌に載ってるモデルさんみたい。
どういう顔が好きだとか、色白の人が好きだとか、小麦肌の人が好きだとか、背の高い人が好きだとか、人それぞれそういう身体のタイプというのは確かにあるのだろう。
それが全てではないというのは当たり前として、好みのタイプはある。
それで言えば、恵理にとって悠一郎の身体は好みのタイプに該当する。それどころかまさにど真ん中のストライク。
悠一郎の裸に見惚れてしまう。
……私ってもしかしてエッチなのかな……
悠一郎の身体から目が離せくて困る。
「ん?どうした?」
恵理の視線に気付いた悠一郎が、少し笑みを浮かべながら聞いてきた。
「ううん……」
恵理は恥ずかしそうにまた視線を横に逸らした。
一瞬の会話の後、そこから悠一郎の身体が覆いかぶさってきて、また言葉の要らない、身体だけで通じ合う時間が始まった。
「ん……」
悠一郎の長い腕の中で小さくなる恵理。
まずは少しきついくらいにギュッと抱きしめられる。
やっぱり服を着たまま抱きしめられるのと、裸になって抱きしめられるのとでは一体感が全く違う。
服は着てないけど、こっちの方が悠一郎の体温をより感じるから温かい。
さっきみたいに肌を触りあう気持ち良さじゃなくて、肌と肌が直接触れ合う気持ち良さ。
恵理の柔らかな胸が、悠一郎の分厚い胸板に押し潰されるくようにして密着している。
お互いの胸の鼓動がドク……ドク……と聞えてくる。
するとそのタイミングで悠一郎が耳元で小さく囁いてきた。
「聞こえる?俺の。」
「……うん。」
「恵理のも聞こえるよ。」
耳元で感じる好きな人の声。胸で感じる好きな人の心臓の音。
心が満たされていく。
しばらくその時間に浸った後、再び見つめ合う二人。
そして恵理が瞳を閉じればそれがサインになってキスが始まった。
優しいキスから、すぐに激しいキスに切り替わる。
「ン……チュパ……チュパ……ン……」
恵理も悠一郎の背中に手を回して深く求めた。
1ミリでも多く悠一郎に触れていたい。
悠一郎は恵理の口の中を舌で愛撫して、たっぷりと唾液を飲ませると、今度はキスを一旦やめて恵理の耳を舐め始めた。
艶やかで綺麗な髪をかき上げて、女性独特の甘い匂いを楽しみながら耳に舌を沿わせる。
外側を優しく舐めたり、耳たぶを軽く噛んでみたり。
「ん……ぁ……」
それに対して敏感な反応を見せる恵理。
「恵理、耳弱いんだ。」
自分でも知らなかった性感帯。
「……ぁん……」
耳の穴に息を吹きかけられると、ゾクゾクして少しくすぐったいけど、それも今は気持ち良さに変わってしまう。
そして悠一郎の口はまた移動して、今度は恵理の項(うなじ)を舐め始めた。
「……ぁぁ……」
そこも気持ち良い。
なんだか、悠一郎に舐められる所が全部性感帯になっていくかのようだった。
「気持ち良い?」
「……うん……」
「恵理も舐めたい?」
「ぇ?」
そう言われて、恵理がどうしたらいいのか分からないでいると悠一郎が指を二本、恵理の口元に持ってきた。
「口開けて。」
それに従い恵理が口を小さく開くと、悠一郎はその指を口の中に入れてきた。
そこでようやく意味を理解した恵理は、悠一郎の指を舐め始めた。いや、しゃぶり始めたと言った方が正しい。
少し塩っぱい悠一郎の指の味が口の中に広がった。