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女子大生 成宮恵理
【女性向け 官能小説】

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女子大生 成宮恵理-15

部屋の電気を消してからも二人はなかなか眠りにつく事ができずにいた。

特に悠一郎は全く寝る気がないのか、まだソファの事でグダグダ言っている。


「やっぱりソファだと寝れねぇなぁ、身体伸ばせないしさぁ。あーこれ朝起きたら絶対身体痛くなってるパターンだわ。」


「仕方ないでしょ。ソファが嫌だったら床に寝るしかないよ?」


「それもっとキツイって。なぁ恵理ぃ、そっち行っちゃダメ?」


「ダーメ。」


「マジで寒いんだけど。」


「我慢して。」


恵理は我儘な悠一郎を突き放すようにそう言って、目を閉じて寝たふりをしてみせた。

本当はまだ全然眠くない。

こうやって悠一郎とからかい合ったりするのが楽しいから。

でも、布団がないのはちょっと可哀想かなぁ。

恵理が目を閉じながらそんな事を思っていると、不意に掛け布団が上にゆっくりと持ち上がった。


「え?」


なんだろうと目を開けると、そこには布団に入ってこようとする悠一郎の姿が。


「おじゃましまーす。」


「えっ!?ちょ、ちょっと!何で入ってくるのよ!」


驚いた様子で慌てて起き上がる恵理。


「寒くて限界なんだって。あーあったけぇ、恵理だけ布団の中とかズルイって。」


「やだぁ、ちょっと出てってよぉ!」


「いいじゃん、二人の方が布団の中もっと温かくなるよ。」


「そういう問題じゃないし、もぉ何やってるのぉ。」


困り果てた顔の恵理を差し置いて、布団に潜り込んで動こうとしない悠一郎。


「恵理の布団フカフカだな。あ、なんかすげぇ良い匂いするし、恵理って香水とか付けてる?」


「つ、付けてないけど。」


「そっかぁ、じゃあこれは恵理の匂いだなぁ。」


そう言って悠一郎は恵理の枕に鼻を当てて大きく息を吸い込んで見せた。


「や、やめてよ変態!やだもぉ……。」


「いいからいいから、ほら恵理も入れよ。」


掛け布団の片側を手で上げて誘ってくるが、当然恵理は躊躇していた。


「でも……。」


「いいから入れって。」


悠一郎に手を引っ張られて、少し強引に布団の中に入れられた恵理。

その時殆ど抵抗しなかったのは、本音では悠一郎の隣で寝る事が嫌ではなかったからだ。


「もぉ……」


二人が寝るには少し狭いシングルベッドだから、お互いの体温をすぐに感じる。

一緒の布団で寝ている夫婦はいつまでも若々しいという話を聞いた事があるけれど、それが頷けるほど布団の中には特別な空間が広がっている感じがした。

二人の体温が混ざって、まるで悠一郎と一体になったみたい。

少し動くだけで手や足が触れ合う。その度に胸が高鳴ってしまう。


「そっちちゃんと布団ある?」


「うん大丈夫、悠一郎君の方はちゃんと足りてる?」


「ちょっと背中出てる。もう少しそっち寄っていい?」


「……いいよ。」


さらに近づいて、身体の側面が密着する。

それから少しの間沈黙があった後、悠一郎が口を開いた。


「恵理もう眠い?」


「ううん、なんかあんまり眠くない、悠一郎君は?」


「俺も全く。」


「二人ともお酒入ってるのにね。」


「な。でも恵理は結構酔ってるだろ?」


「うん、なんか頭フワフワしてるもん。悠一郎君はお酒強いね。」


「そんな事ないよ、俺も結構酔ってる。」


「ホントに?全然変わらないね。」


「顔に出ないタイプだからな。」


悠一郎の声は低くて、その細かな低音震動が触れ合った肩やベッドから伝わってきて心地良い。

声って大事。声にも相性はあるのかもしれない。

悠一郎の声は恵理の身体の中にスーッと入ってきて、安らぎを与えてくれる。

きっと他の人の声だったらこんな風には感じないだろう。

ずっと聞いていたいな、と素直に思えてしまう。



「なぁ恵理、1つ聞きたいことあるんだけど。」


「ん、なに?」


「さっき言ってたさ、恵理の好きな人って誰?」


またその話か、という気持ち半分、自分の事を聞かれて嬉しいの半分。


「……誰でもいいじゃん、そんなの。」


「よくねぇって、教えてよ。」


「そんなの悠一郎君が気にする事ないよ。」


「めちゃくちゃ気になる、たぶん寝れないのはそのせいだと思う。」


真面目な顔でそんな事を言うから、恵理は思わず笑ってしまう。


「フフッ、なにそれ。だいたい、そんな事知ってどうするの?」


「どうするって……たぶん凄く嫉妬するだろうな。」


「……え?嫉妬?どうして?」


「だって俺、恵理の事好きだし。」


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