不倫-7
距離を詰めてくる仁科さんに私は動揺しました。
「に、仁科さん…、ち、ちょっと待って…」
焦りました。まさかこんな状況になるとは思ってませんでしたから。
「もう待てないよ。ずっとこのチャンスを待ってたんだ…。」
「ま、待って…!わ、私…結婚してるんですよ…!?」
「関係ないよ、男と女の関係にそんなの。」
グイグイ来ます。こんな積極的な人だったのかと戸惑いました。私は思わず立ち上がりました。
「ダメです…」
「ダメじゃないよ。」
仁科さんが抱きついて来ました。
(この人、マジなのてん!?)
体が動きませんでした。そんな私の耳元で仁科さんが囁いて来ました。
「俺に女をアピールしてよ…?まだまだ私は女なんだって…。」
「え…?」
「若い女より燃えるよ、三奈さん…。ずっと抱きたかった。ずっとこの体を抱きたかったんだよ。」
「に、仁科さん…本気なの…?」
「本気だよ。」
仁科さんは唇をピタリと耳につけてきました。
「三奈さんとセックス…したい」
その言葉に体の力が抜けそうでした。セックスしたい…そんな言葉囁かれたら私…、ダメでした。私の持ってた貞操観念はその一言で崩壊しちゃうぐらい脆いものだったんだと気付きました。私はずっとスケベなヤリマンのままだった事にも気づきました。
「オンナを眠らせていたんだったら俺が目覚めさせてあげるよ…。」
ホント、グイグイ来ます。仁科さんは本気に女遊びに慣れた人だって事が感じられました。遊ばれたい…そう思った事は確かな事実でした。
「存在自体がスケベな人だよ、三奈さんは…」
仁科さんは制服の上から私の背中、お尻をゆっくりと撫でて来ました。
「あん…ダメ…」
両手でお尻を撫でられ体をモゾモゾっとさせてしまいました。
「いいお尻だよ…。いつも働いている三奈さんのお尻を見て興奮してたよ…」
「そんな目で私を見てたんですか…?」
「そんな目で私を見られたかったんだろ?」
「え…」
言葉が巧みすぎます。私の言い返せる言葉を全て消されてしまいました。そしてお尻を撫でていた手軽が体をゆっくりと這い上がり、両手で頬を抑えられました。顔が…、仁科さんの顔が目の前に…。そして見つめられ私は頭の中が真っ白になりました。寄せられる唇に私は何もできませんでした。唇が重なった瞬間、私の指先はピクッと動き、そして仁科さんの体に手を添えていました。気付くと彼の腰に手を回し軽く抱き付いていました。私の唇を割いて入り込んで来た舌…、私は受け身ながらもその舌を受け入れていました。溶けそうでした。身も心も…。