不倫-5
仁科さんが一回事務所から出て戻ってくるとジュースを持って来ました。
「一息つこうよ♪」
渡されたジュースを見てドキッとしました。それは私がいつも飲んでいるレモネードだったからです。
「ありがとうございます。でも何で私がこれを好きだって分かったんですか?」
「ん?そりゃあいつもそれ飲んでるの見てたからだよ。」
自らはコーヒーを飲みました。
「見てたんだぁ…」
「ちょっと嬉しいだろ?」
悪戯っぽくニコッと笑いました。
「ちょっとね♪」
確かに嬉しくなってしまいました。どうも仁科さんのペースに飲まれてしまいます。
「いやでもね、前の前の営業所では女がらみで飛ばされたんだよ。マジで。」
「えっ?そうなんですか??」
「うん。その営業所には5人の女の子がいたんだけど、全部食っちゃってさぁ。だから暫く女遊びは封印してたんだよ。でも美香が入ってきて可愛かったから我慢出来なくてさぁ、歓迎会の夜に速攻食っちゃって付き合う事になったんだけどすぐバレてここに異動してきたんだよ。前のえっ?では封印してたから女にはだらしなくない印象が強かったんだろうね。それに彼女の為に自ら異動を申し立てたって、話が美化されたし。実は同じ事務所に彼女がいると1日中監視されてるようで嫌だったからね。美香は異動するなら仕事辞めるとか言い始めるし。それにここにはゆかりちゃんいたし火遊びできるかな、みないな。」
「じゃあ結局本当は女遊び大好きって事ですか?」
「うん。間違いない!」
「そうなんだぁ。イメージ崩れましたぁ。」
彼女の友達に手を出そうとしてるなんてどんだけ女遊び好きなんだか…。全然ちゃんとしてないじゃん!
「でもまだゆかりちゃんには手を出してないんですよね?」
「うん。」
「じゃあ止めたほうがいいですよ。」
「うん、止めた♪」
「え?あっさりしてるんですね。」
「ゆかりちゃん以上に手を出したい女を見つけたからね♪」
「え?」
ニコニコしながら私を見る仁科さん。結局さっきの話に逆戻りしました。
「なーんてね♪って言うんでしょ?また。」
騙されてたまるかって感じでした。しかしニコニコしながら言ってきました。
「いや、マジ♪見てるだけでムラムラしてくるんだよ、その人。最近綺麗になってから余計、ね♪」
明らかに私の事を言ってますが、自分から私?って聞けないじゃないですか?それを察したかのように仁科さんははっきり言いました。
「ズバリ、三奈さんを抱きたい♪」
「え?」
さっきより激しくドキッとしました。そしてそのドキドキは一瞬ではなくずっと続きました。