様子を見よう・・・-3
気づいた時、私は見知らぬベッドの上にいた。
魔物にイかされて気絶した私は、近くの(私が装備を買いに行こうとしていた)町の人に助けられ、看病を受けていたのだ。
(こんな風に行き倒れた勇者を助けることが、人々には奨励されてる。)
どうやらスライムは、私を殺す前に満足して帰ったらしい。
そういえば気を失う直前、「たべきれない」とか言ってた気がする。
結果は散々だったけど、とにかく生き延びたんだからよしとしよう。
考えてみれば、ふたなりは男と女ふたり分の‘精気’をもってる…はずだから、負けても殺されにくいかもしれない。
そうすると、やっぱりこの仕事は私に向いてる――今はそう言い聞かせておく。
助けてくれた人にお礼を言って、すっかり日の暮れた街に出る。
一晩泊めてあげると言ってくれたが、さすがに申し訳ないので断った。
(え〜と・・・・そうだ、装備を買いに行かなきゃ。)
まだ武器屋は開いてるだろうか。とりあえず見に行って、開いてたら買い物。次は、今夜の宿探し。
今回で、スライムの手の内はだいたい分かった。装備を整えたら、今度は狩りまくって私の経験値にしてやる・・・・。
半ば逆恨みなプランを立てながら、気を取り直して夜の街を行く私だった。