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Long-Distance Love
【その他 官能小説】

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Long-Distance Love-1

「あっ、もしもし?着いたよ!!」
『じゃあ今から迎えに行くよ。駅前で待ってて。』

夜8時過ぎ。駅前で迎えを待つ少女、いや失礼。もう21才になるから女性だ。
この女性、榎本菜摘は、7才年上の彼、室田陽介と遠距離恋愛中である。
何故遠距離恋愛が始まったのかと言うと、、、簡単に言えば陽介が転勤になった為だ。
長くなりそうなので、この辺の詳しい話はまたの機会にするとしよう。

専ら、菜摘が都合をつけ、今回のように陽介の転勤先に会いにくる。
今日は一ヶ月ぶりの再会である。

(ようくん、早く来ないかなぁ〜。あードキドキしてきちゃったよ。)

付き合い初めて3年が経つ。
しかし付き合って数カ月で陽介が転勤になったせいか、いまだに陽介に会うときは緊張する様だ。

(あっ、あれだ!!)

遠くに見慣れた車が見えた。
駅前は栄えているため明るい。
そのため、遠くからでも解るのである。
しかし、なにやら恥ずかしいらしく、菜摘は気付かないフリをする。

車が目の前で停まる。

緊張しながらドアを開ける。
「久しぶりッ。」
(恥ずかしくてまともに顔が見れないよ〜)
『久しぶり。よく来たね。』

ーふわっ

陽介が菜摘の頭を軽くなでて車を走らせた。

胸がきゅんってなる。

それがばれないように必死に平然を装う菜摘。
そんな菜摘に追い打ちをかけるように陽介は菜摘の手を握る。
陽介の手はおっきくてとても暖かい。
『逢いたかった。』
陽介が前を見ながら言う。
「あたしも。」
そして、二人は見つめあいキスを。。。。。
とはいかず、
『ナツ、お腹は?何食べたい?』
まず、腹ごしらえをすることになったのだった。


「お腹いっぱい!おいしかったねッ。ごちそうさま!!」
ご飯を食べてお腹いっぱいになると、二人の緊張もほぐれてきた。今は陽介の自宅に向かう途中の車内だ。
『そうだ、俺今この曲にハマってるんだよねぇ。』
そう言うと陽介がCDを流す。
歌を口ずさんだり、他愛ない話をする。
もう二人の間の緊張は完全になくなった様だ。

ふいに、会話が途切れる。
それは気まずいものでもなんでもなく、自然なことだった。
少しの間続く心地良い時間。
離れている時はあんなに不安だったのに、今は嘘のように満たされている。


『ナツ。キスして。』
菜摘は一瞬ドキッっとした。
それは、あまりに思ってもみないことを突然言われたからでもあるが、陽介がそれまでとは違った声のトーンで言ったからだった。
大人の男の人の声だった。
「えっ?運転中だからあぶないよ〜。」
(それに恥ずかしいし、、、、)
『へーきだよ。キスしたい。して?』
「イヤッ。あぶないもん〜。」
しばらくそんなやりとりをしながらじゃれあう二人。

だが、赤信号で止まった時だった。

『ナツ。』
「え?」

ーチュッ。

陽介の唇と菜摘の唇が出会う。
一瞬胸が苦しくなる。
陽介と菜摘の視線が合う。
陽介が微笑む。
それは凄くやさしい笑顔だった。

(ようくんも寂しかったんだなぁ。)

陽介も寂しかったんだ、自分と同じ気持ちだったんだ、と今陽介を目の前にして思う菜摘。
離れてる間、なかなか連絡をくれない陽介の気持ちがわからなくなり、不安になったこともあった。
でもそれは寂しさからくるものだった。


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