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10年目の恋
【ファンタジー 官能小説】

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月夜の恋-3


「婚約指輪はモニッケンダムって決めてた」
「覚えててくれたんだ」

この前見た満月の月の光に負けないぐらい
ダイヤはキラキラ輝いてた。

「大きな仕事がやっと終わった。
この仕事が終わったら昇進が約束されてる。
モニッケンダムを買うなら本店でって決めてたら
仕事の最終の詰がUKっていうのもすげぇ偶然だろ」

ホントだ。
映画の主人公と同じ。本店だ。

「志保。結婚しよう」

そう言いながらあたしの左手の薬指にダイヤをはめてくれた。

「なんで?なんで今まで何も言ってくれなかったの?
徹は結婚する気がないんだと思って。
あたし別れる覚悟までしてたんだよ」
「いい加減な口約束はしたくなかったんだ」

「志保。お前の仕事いい時ばっかじゃないだろ?」

ん?

「生活のためにあんまりやりたくない映画以外の翻訳の仕事までしてるって知ってる」

そりゃ、食べていくためにはね。

「俺とにかく、出世して志保が働かなくてもいいぐらい稼ぎができたら
プロポーズしようと思ってた」

・・・・

「志保にはカネのことを考えないで好きな仕事だけして欲しいんだ」

とおる?

「志保。俺が稼いでやるから。好きな仕事を好きなだけやれ」

思いもしなかった徹の言葉に涙が止まらなかった。






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